【どう見るこの株】東海ソフトは調整一巡、22年5月期営業・経常増益予想で1Q順調

どう見るこの株

 東海ソフト<4430>(東1)は独立系のソフトウェア開発会社である。22年5月期は需要が高水準に推移して増収、営業・経常増益予想としている。第1四半期は大幅増益で過去最高の経常利益だった。第1四半期の進捗率が順調であり、通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■独立系のソフトウェア開発会社

 1970年設立の独立系のソフトウェア開発会社である。名古屋に本社を置き、車載関連開発や民生・産業機器関連が中心の組込関連事業、製造・流通および業務システム関連事業、金融・公共関連事業を展開している。

 21年5月期の売上構成比は組込関連事業が37%、製造・流通および業務システム関連事業が49%、金融・公共関連事業14%だった。主要顧客は車載関連のトヨタグループ、民生・産業機器関連の富士電機グループ、金融・公共関連の日立グループなどである。

 21年1月には製造業向けソリューションの拡大を目的として、ビジネスエンジニアリング<4828>との協業を強化した。

■22年5月期営業・経常増益予想、1Q経常利益は過去最高と順調

 22年5月期の業績(非連結)予想は売上高が71億円、営業利益が5億56百万円、経常利益が5億50百万円、当期純利益が3億63百万円としている。配当予想は1円増配の16円(期末一括)である。

 収益認識基準を適用するため増減率は非記載だが、21年5月期実績との単純比較で見ると売上高は6.4%増収、営業利益は19.6%増益、経常利益は6.8%増益、当期純利益は9.7%減益となる。収益認識基準適用の影響は、従来基準との比較で売上高が約3億円増加、経常利益が約20百万円増加の見込みとしている。当期純利益は前期計上した特別利益(固定資産売却益90百万円)の剥落などで減益予想だが、需要が高水準に推移して増収、営業・経常増益予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比11.6%増の16億72百万円、営業利益が3.7倍の1億48百万円、経常利益が3.4倍の1億48百万円、四半期純利益が4.0倍の99百万円だった。

 組込関連は、民生・産業機器関連がやや低調で全体として売上高が2.0%減収と伸び悩んだが、車載関連が2桁増収と好調に推移し、売上総利益が51.3%増益と伸長した。製造・流通および業務システム関連事業は売上高が18.3%増収で売上総利益が36.7%増益、金融・公共関連事業は売上高が28.9%増収で売上総利益が9.4%増益と伸長した。全体としてコロナ禍の影響が和らぎ、需要が高水準に推移した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.6%、営業利益26.7%、経常利益26.9%、純利益27.4%と順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 なお現在は東証1部・名証1部に上場しているが、22年4月4日に移行予定の新市場区分については、東証に関しては9月13日開催の取締役会においてスタンダード市場選択申請を決議した。名証に関しては自動的にプレミア市場に移行する予定としている。

 株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。10月15日の終値は1226円、時価総額は約60億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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