インテージホールディングスは22年6月期1Q大幅増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 インテージホールディングス<4326>(東1)は11月5日の取引時間終了後に22年6月期第1四半期連結業績を発表した。一部の事業がコロナ禍の影響を受けたが、主力事業の需要が概ね好調に推移して大幅増益だった。通期は成長投資などで減益予想としているが保守的だろう。上振れの可能性がありそうだ。株価は急伸して上場来高値更新の展開だ。決算発表前に急伸したため目先的には材料出尽くしとして利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■22年6月期1Q大幅増益、通期減益予想だが上振れの可能性

 22年6月期第1四半期の連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が前年同期比8.6%増の138億04百万円、営業利益が3.3倍の8億82百万円、経常利益が81.2%増の9億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が20.4%増の7億29百万円だった。

 一部の事業がコロナ禍の影響を受けたが、主力事業の需要が概ね好調に推移して大幅増益だった。なお収益認識基準適用の影響額として、売上高が43百万円減少、営業利益、経常利益がそれぞれ6百万円増加している。影響は軽微である。

 マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、売上高が12.0%増の86億16百万円で営業利益が3億82百万円(前年同期は10百万円の赤字)だった。コロナ禍で停滞していた顧客のマーケティング活動が回復基調となり、主力のパネル調査やカスタムリサーチが好調に推移した。

 マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、売上高が5.4%増の34億64百万円で営業利益が31.3%増の4億30百万円だった。主力のリサーチが堅調に推移し、CRO(医薬品開発業務受託機関)の製造販売後調査の収益性改善も寄与した。

 ビジネスインテリジェンス事業は、売上高が0.7%減の17億23百万円で営業利益が69百万円(同50百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響で微減収だが、原価低減や経費削減で収益性が改善した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年6月期比5.1%増の605億円、営業利益が23.1%減の34億円、経常利益が21.3%減の40億円、親会社株主帰属当期純利益が17.0%減の28億円としている。配当予想は21年6月期と同額の35円(期末一括)である。

 需要が回復基調だが、コロナ禍による不透明感や成長投資の影響などで減益予想としている。ただし保守的だろう。第1四半期の進捗率は売上高が22.8%、営業利益が25.9%、経常利益が24.0%、純利益が26.0%と概ね順調だった。経済活動再開で需要が上向くことなども勘案すれば、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して上場来高値更新の展開だ。決算発表前に急伸したため目先的には材料出尽くしとして利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月5日の終値は2057円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円06銭で算出)は約29倍、時価総額は約832億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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