クレスコは22年3月期2Q累計が計画を上回る大幅増益で通期も上振れの可能性

(決算速報)
クレスコ<4674>(東1)は11月5日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。受注が好調に推移し、生産性向上も寄与して計画を上回る大幅増益だった。不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、受注が増加基調であり、通期も上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値更新直後に利益確定売りで急反落の形となったが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増益と順調、通期上振れの可能性

22年3月期第2四半期累計の連結業績(収益認識基準適用、損益への影響なし)は、売上高が前年同期比9.7%増の210億61百万円、営業利益が47.6%増の20億17百万円、経常利益が20.5%増の22億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が22.8%増の16億06百万円だった。

受注が好調に推移(受注高は22.2%増の210億61百万円)した。コロナ禍でダメージを受けた業界(旅行、空輸など)も徐々に回復傾向となった。さらに生産性向上や前期の不採算プロジェクトの解消なども寄与して計画を上回る大幅増益だった。なお営業外収益では前期に2億76百万円計上したデリバティブ評価益が5百万円に減少した。また特別利益に投資有価証券売却益1億72百万円を計上(前期は1億47百万円計上)した。

ITサービス事業(22年3月期からセグメント区分変更、前年比は組替後)は、売上高が8.4%増の202億84百万円(エンタープライズが8.3%増の89億49百万円、金融が8.8%増の65億23百万円、製造が8.1%増の47億94百万円)で、営業利益(全社費用等調整前)が34.6%増の26億66百万円だった。エンタープライズは人材紹介・派遣、運輸、旅行・ホテルからの受注が回復した。金融は保険・その他が増加、製造は機械・エレクトロニクスが増加した。デジタルソリューション事業は、売上高が55.8%増の7億93百万円で営業利益が2.2倍の28百万円だった。クラウド関連やロボティクス関連が増加した。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が98億70百万円で営業利益が7億99百万円、第2四半期は売上高が111億91百万円で営業利益が12億18百万円だった。

通期連結業績予想は据え置いて売上高が21年3月期比6.8%増の424億円、営業利益が10.5%増の38億50百万円、経常利益が2.4%増の42億円、親会社株主帰属当期純利益が8.2%増の28億50百万円としている。配当予想は2円増配の40円(第2四半期末20円、期末20円)である。

顧客のIT投資が順調に回復して増収増益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が49.7%、営業利益が52.4%、経常利益が52.9%と順調だった。

不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、受注が増加基調であり、顧客の予算執行時期の関係で下期の構成比が高い特性があることも勘案すれば、通期も上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

株価は年初来高値更新直後に利益確定売りで急反落の形となったが、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月5日の終値は2089円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS135円54銭)で算出は約15倍、時価総額は約480億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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