朝日ラバーは22年3月期2Q累計が計画超の大幅増収で黒字転換、通期再上振れの可能性

(決算速報)
 朝日ラバー<5162>(JQ)は11月12日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。車載用ゴム製品の需要が回復し、販管費抑制なども寄与して計画を上回る大幅増収・黒字転換だった。通期予想(8月6日に上方修正)を据え置いたが再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う形だが調整一巡感を強めている。黒字転換を評価して上放れを期待したい。

■22年3月期2Q累計黒字転換、通期は再上振れの可能性

 22年3月期第2四半期累計の連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が前年同期比27.5%増の36億32百万円、営業利益が1億76百万円(前年同期は1億79百万円の赤字)、経常利益が1億78百万円(同1億28百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億35百万円(同7百万円)だった。収益認識基準適用の影響額として、売上高と売上原価がそれぞれ51百万円減少したが、利益への影響はなかった。

 車載用ゴム製品の需要が回復して大幅増収(国内が24.5%増の27億62百万円、海外が38.0%増の8億69百万円)となり、販管費抑制も寄与して各利益とも黒字転換した。売上総利益率は7.4ポイント上昇、販管費比率は3.7ポイント低下した。なお従来予想(8月6日に上方修正)に対しては売上高が54百万円、営業利益が49百万円、経常利益が55百万円、親会社株主帰属四半期純利益が45百万円、それぞれ上回った。

 工業用ゴム事業は売上高が36.3%増の30億40百万円で、営業利益(全社費用調整前)が2億83百万円(同1億11百万円の赤字)だった。RFIDタグ用ゴム製品は需要低迷が継続したが、ASA COLOR LEDなどの車載用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーの需要が回復基調となった。医療・衛生用ゴム事業は売上高が4.5%減の5億91百万円で営業利益が37.4%減の55百万円だった。新型コロナ影響でプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の在庫調整が継続した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億97百万円で営業利益が78百万円、第2四半期は売上高が18億35百万円で営業利益が98百万円だった。

 通期連結業績予想(8月6日に上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比11.8%増の72億52百万円、営業利益が3億21百万円(21年3月期は92百万円の赤字)、経常利益が3億11百万円(同18百万円)、親会社株主帰属当期純利益が2.1倍の2億36百万円としている。配当予想は10円増配の20円(期末一括)である。

 新型コロナ感染症拡大の動向、半導体・部品供給不足による完成車減産、原材料価格高騰などで先行きが不透明として通期予想を据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高が50.1%、営業利益が54.8%、経常利益が57.2%、親会社株主帰属当期純利益が57.2%と順調であり、通期予想に再上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は小幅レンジでモミ合う形だが調整一巡感を強めている。黒字転換を評価して上放れを期待したい。11月12日の終値は614円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円02銭で算出)は約12倍、時価総額は約28億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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