And Doホールディングスは23年6月期1Q減益だが計画水準、通期増益予想据え置き

(決算速報)
 And Doホールディングス(旧ハウスドゥが22年1月1日付で事業持株会社体制に移行して商号変更)<3457>(東証プライム)は11月11日の取引時間終了後に23年6月期第1四半期連結業績を発表した。前年の不動産売買事業における大型案件の反動で減収減益だが概ね計画水準だった。成長強化事業のハウス・リースバック事業は大幅伸長した。そして通期増益予想を据え置いた。住宅需要が堅調であり、成長強化事業が牽引して収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年6月期1Q減益だが計画水準、通期増益予想据え置き

 23年6月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比13.2%減の96億12百万円、営業利益が56.7%減の3億43百万円、経常利益が58.8%減の2億90百万円、親会社株主帰属四半期純利益が57.9%減の1億74百万円だった。前年の不動産売買事業における大型案件の反動で減収減益だが概ね計画水準だった。成長強化事業のハウス・リースバック事業は大幅伸長した。

 フランチャイズ事業は売上高(調整前)が9.3%減の7億90百万円で、セグメント利益(調整前営業利益)が14.1%減の5億19百万円だった。店舗数減少の影響で減収減益だった。なお累計加盟店数(レントドゥ含む)は682店舗で前年同期比16店舗減少したが、注力エリアの加盟は堅調だったとしている。

 ハウス・リースバック事業は売上高が3.7倍の43億01百万円で、利益が5億50百万円(前年同期は5百万円の赤字)だった。HLB11号への譲渡を実施(売上高28.2億円)した。契約件数は68件増加の298件、物件取得数は34件増加の263件、期末保有物件数は173件増加の680件、保有物件総額(簿価ベース)は26億58百万円増加の95億24百万円となった。第2四半期以降の流動化に向けて保有物件数も充実している。なお23年6月期より、ハウス・リースバック保有物件の保有目的を固定資産から販売用不動産に変更した。

 金融事業は売上高が28.3%減の1億65百万円で、利益が39.9%増の51百万円だった。不動産担保融資を戦略的に縮小(融資残高は42億37百万円減少の40億60百万円)しているため減収だが、リバースモーゲージ保証が伸長(保証残高が33億09百万円増加の100億02百万円)して大幅増益だった。

 不動産売買事業は売上高が54.2%増の35億28百万円、利益が71.3%減の2億67百万円だった。前年の大型案件の反動で減収減益だった。取引件数は10件減少の146件だった。

 不動産流通(仲介)事業は、仲介件数が減少して売上高が24.9%減の4億75百万円、利益が22.9%減の1億51百万円だった。仲介件数は28.8%減少の557件だった。リフォーム事業は売上高が8.8%減の5億66百万円だが、利益が39.1%増の35百万円だった。店舗統廃合の影響で受注が減少したが、生産性向上や販管費コントロールの効果で増益だった。リフォーム契約件数は37件減少の415件、完工件数は5件減少の429件だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年6月期比12.5%増の465億82百万円、営業利益が20.2%増の34億52百万円、経常利益が12.0%増の33億円、親会社株主帰属当期純利益が11.4%増の21億78百万円としている。配当予想は4円増配の40円(期末一括)としている。連続増配予想である。なお株主優待制度を、22年6月期末対象をもって廃止した。今後は優待制度に要していた費用相当分を加味して配当で還元する。

 セグメント別営業利益(調整前)計画はフランチャイズ事業が10.3%増の25億38百万円、ハウス・リースバック事業が38.9%増の23億87百万円、金融事業が34.2%増の1億85百万円、不動産売買事業が5.4%減の16億円、不動産流通事業が14.7%減の6億23百万円、リフォーム事業が17.5増の2億30百万円、調整額が▲41億11百万円としている。

 第1四半期は大型案件の反動で減収減益となり、通期予想に対する進捗率も低水準の形だが、不動産売買事業の引き渡しは第2四半期に集中する見込みである。住宅需要が堅調であり、成長強化事業が牽引して収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月11日の終値は840円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS111円33銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約4.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS706円07銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約164億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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