KeyHolderは21年12月期3Q累計営業減益、通期予想据え置き

(決算速報)
 KeyHolder<4712>(JQ)は11月12日の取引時間終了後に21年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。総合エンターテインメント事業が牽引して大幅増収だが、販管費の増加や持分法投資利益の減少で営業減益となり、投資有価証券評価損計上も影響して最終赤字だった。そして通期の減益予想(8月12日に上方修正)を据え置いた。21年12月期は成長加速に向けた先行投資などを考慮して減益予想だが、22年12月期の収益改善を期待したい。なお新市場区分に関してスタンダード市場選択申請を発表した。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■21年12月期3Q累計は営業減益

 21年12月期第3四半期累計の連結業績(IFRS)は、売上収益が前年同期比84.7%増の115億92百万円で、営業利益が59.6%減の4億98百万円、親会社株主帰属四半期純利益が64百万円の赤字(前年同期は11億91百万円の黒字)だった。

 総合エンターテインメント事業が牽引して大幅増収となり、売上総利益も大幅増加(12億94百万円増加の25億85百万円)したが、販管費の増加(5億04百万円増加の29億78百万円)や、持分法投資利益の減少(17億24百万円減少の7億30百万円)で営業減益だった。金融費用に計上した投資有価証券評価損2億90百万円も影響して最終赤字だった。

 総合エンターテインメント事業は売上収益が145.8%増の73億23百万円で営業利益が55.8%減の8億55百万円、映像制作事業は売上収益が5.5%増の28億57百万円で営業利益が8.4%減の1億21百万円、広告代理店事業は売上収益が279.5%増の11億27百万円で営業利益が1億10百万円の黒字(前年同期は3億06百万円の赤字)、その他事業は売上収益が3.3%減の2億83百万円で営業利益が1百万円の赤字(前年同期は21百万円の赤字)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益37億06百万円で営業利益6億97百万円の黒字、第2四半期は売上収益41億36百万円で営業利益1億62百万円の赤字、第3四半期は売上収益37億50百万円で営業利益37百万円の赤字だった。

 通期連結業績予想(8月12日に上方修正)は据え置いて、売上収益が20年12月期比49.5%増の160億円、営業利益が12.8%減の14億円、親会社株主帰属当期純利益が22.4%減の10億円とした。配当予想は20年12月期と同額の10円(期末一括)である。

 成長加速に向けた先行投資などを考慮して減益予想だが、売上面はコロナ禍で厳しい状況ながらも、総合エンターテインメント事業子において会社のノースリバーおよび持分法適用関連会社の乃木坂46合同会社の事業運営が好調に推移する見込みだ。また映像制作事業では番組制作やドラマ案件の撮影・ロケが順調に推移し、広告代理店事業では新たにデジタル広告を開始したことも寄与する。22年3月期の収益改善を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月12日の終値は746円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円71銭で算出)は約13倍、時価総額は約130億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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