クリーク・アンド・リバー社は23年2月期も2桁増益・連続増配予想で収益拡大基調

(決算速報)
 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は4月7日の取引時間終了後に22年2月期連結業績を発表した。日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増益となり、過去最高業績だった。そして23年2月期も2桁増益・連続増配予想としている。さらに中期経営計画の目標値も上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発して21年12月の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年2月期大幅増益で過去最高、23年2月期も2桁増益・連続増配予想

 22年2月期の連結業績(3月25日に業績・配当予想を上方修正)は、売上高が21年2月期比12.0%増の417億99百万円、営業利益が39.4%増の34億11百万円、経常利益が37.6%増の34億19百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が35.0%増の22億24百万円だった。配当は21年2月期比4円増配の20円(期末一括)とした。11期連続増配である。

 日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増益・過去最高だった。従来予想に対しても上振れて着地した。営業利益は中期経営計画2期目(23年2月期)の計画(32億円)を前倒しで達成した。

 日本クリエイティブ分野は売上高が13.1%増の294億44百万円で、営業利益(調整前)が39.6%増の24億78百万円だった。売上面では映像やゲーム関連を中心に伸長し、利益面では第4四半期にTVCMなどの成長投資を実行したが、増収効果やDXによる生産性向上などで吸収した。

 韓国クリエイティブ分野は売上高が6.1%増の34億68百万円で営業利益が0百万円(21年2月期は49百万円の損失)だった。TV局への派遣が伸び悩んだが、コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)やYouTube関連が伸長した。

 医療分野は売上高が12.3%増の44億06百万円で営業利益が20.1%増の8億69百万円だった。医師紹介が好調に推移し、新規事業(クリニック経営支援)投資を吸収した。レジナビFairはコロナ禍の影響でリアル開催をオンライン開催に切り換えて収益化を図った。

 会計・法曹分野は売上高が6.2%増の21億09百万円で営業利益が18.3%減の1億18百万円だった。派遣が伸長し、コロナ禍の影響を受けていた紹介も下期に回復基調となった。

 その他事業(新規事業)は売上高が12.5%増の23億71百万円で営業利益が32百万円の損失(同1億04百万円の損失)だった。投資段階の事業が多いため全体として営業損失だが、売上面では9社のうち5社が増収、利益面では9社のうち7社の損益が改善した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高105億99百万円で営業利益12億30百万円、第2四半期は売上高104億36百万円で営業利益9億27百万円、第3四半期は売上高102億41百万円で営業利益8億54百万円、第4四半期は売上高105億23百万円で営業利益4億円だった。なお第4四半期にTVCMなどの成長投資を実行した。また医療分野の収益は上期偏重となる季節特性がある。

 23年2月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用で、従来方法に比べて売上高が影響を受けるが、利益への影響は軽微)は、売上高が22年2月期比5.3%増の440億円、営業利益が17.2%増の40億円、経常利益が17.0%増の40億円、親会社株主帰属当期純利益が12.4%増の25億としている。配当予想は22年2月期比3円増配の23円(期末一括)としている。12期連続増配予想となる。

 日本クリエイティブ分野の好調が牽引し、成長投資を吸収して増収・2桁増益予想としている。グループ子会社の収益拡大も寄与する見込みだ。なお収益認識会計基準適用で売上高が影響を受けるが、この影響を除く従来方法ベースの売上高は22年2月期比10.0%増の460億円となる見込みだ。

 また、22年2月期の営業利益が中期経営計画2期目の計画を前倒しで達成したため、中期経営計画の目標値を上方修正した。最終年度24年2月期については、従来計画の売上高460億円、営業利益35億円、営業利益率7.6%に対して、修正後は売上高470億円(従来方法ベースでは495億円)、営業利益45億円、営業利益率9.5%とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は反発して21年12月の上場来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。4月7日の終値は1986円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円15銭で算出)は約18倍、時価総額は約457億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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