22日上場のティムスは919円(公開価格の37%高)で初値つき一段高

株式市場 IPO 鐘

■急性脳梗塞治療に期待される『TMS-007』米バイオジェンに導出

 11月22日新規上場となったティムス<4891>(東証グロース)は、買い気配をセリ上げて始まり、午前10時9分に公開価格670円を37%上回る919円で初値がついた。その後930円まで上げて売買されている。

 創業以来、東京農工大学において微生物から発見されたSMTP(Stachybotrys microspora triprenyl phenol)化合物群の研究開発を軸として発展・成長してきた。その結果、急性期の脳梗塞治療に大きな変革をもたらすことが期待される『TMS-007』の承認・製品化に向け、2021年6月にその権利を米国バイオジェン社に導出する機会を得ることができた。大学の研究室で発見された化合物をグローバル大手企業に導出するという、日本のバイオベンチャーとしては稀な成功を収めることができた。設立は2005年2月。

 現在のパイプラインは、急性期脳梗塞を対象とする臨床開発段階(前期第2相臨床試験終了)にある『TMS-007』と、前臨床段階にある『TMS-008』の2化合物からなっている。。『TMS-007』では、米Biogen MA Inc.(以下「バイオジェン社」との契約により、今後の開発及び販売状況に応じて、最大3億3500 万ドルのマイルストーン一時金(開発マイルストーン最大1億6500万ドル、販売マイルストーン最大1億7000万ドル)などのロイヤリティ(使用許諾料)を受領する可能性がある。

 今期の業績予想(2023年2月期・個別、会社発表)は、営業収益の計上は見込んでおらず(前期の営業収益は19.46億円)、営業損失8.96億円(前期は営業利益11.35億円)、当期純損失12.30億円(前期は当期純利益10.76億円)を見込んでいる。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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