ベステラは大型解体工事計画延長で23年1月期業績予想下方修正だが、新中計で26年1月期目標を上方修正

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(決算速報)

ベステラ<1433>(東証プライム)は12月8日の取引時間終了後に23年1月期第3四半期累計連結業績を発表した。外注費増加などで大幅減益だった。そして通期業績予想を下方修正して赤字予想とした。受注・着工を予定していた大型解体工事の計画延長で売上高が前回予想を下回り、一部工事における工事損失引当金計上や役員退職慰労金引当計上なども影響する見込みだ。配当予想は据え置いた。なお新中期経営計画を発表して26年1月期目標値を上方修正した。23年1月期は赤字予想となったが、老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、24年1月期以降の収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏で軟調だ。目先的には下方修正を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■23年1月期通期業績予想下方修正だが新中計26年1月期目標を上方修正

23年1月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比5.7%増の38億63百万円、営業利益が97.0%減の7百万円、経常利益が82.6%減の77百万円、親会社株主帰属四半期純利益が98.6%減の16百万円だった。

売上面はプラント解体事業の大型の進行基準工事が進捗し、21年12月に子会社化した矢澤(アスベスト除去工事に強みを持つ環境対策工事)の連結も寄与して増収だが、外注費の増加などで売上総利益率が低下し、継続的な人材採用・研究開発・広告宣伝投資による販管費の増加なども影響して大幅減益だった。

プラント解体事業の完成工事高は6.3%増の37億01百万円、完成工事の業界別構成比は電力が13%、製鉄が26%、石油・石化が27%、環境が15%、ガスが5%、3Dが?%、その他が11%だった。環境関連の工事需要の高まりや矢澤のグループ化で環境分野の構成比が上昇している。受注高は84.5%増の56億90百万円、第3四半期末時点の受注残高は35億82百万円となった。受注高および受注残高ベースでは石油化学業界の大型工事案件が寄与した。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億81百万円で営業利益が2億18百万円、第2四半期は売上高が8億52百万円で営業利益が1億43百万円の赤字、第3四半期は売上高が13億33百万円で営業利益が68百万円の赤字だった。

通期の連結業績予想(22年12月8日付で下方修正)は、売上高が22年1月期比12.0%減の52億50百万円、営業利益が2億70百万円の赤字(22年1月期は6億07百万円の黒字)、経常利益が1億40百万円の赤字(同8億40百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が2億円の赤字(同14億67百万円の黒字)としている。配当予想は据え置いて22年1月期比4円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

前回予想に対して売上高を14億50百万円、営業利益を8億90百万円、経常利益を8億06百万円、親会社株主帰属当期純利益を6億69百万円それぞれ下方修正した。受注・着工を予定していた大型解体工事の計画延長で売上高が前回予想を下回り、一部工事における工事損失引当金計上や役員退職慰労金引当計上なども影響する見込みだ。22年1月期との比較で見ると、経常利益と親会社株主帰属当期純利益は一過性利益(持分法投資利益、特別利益)の剥落も影響する。

なお新中期経営計画および三谷産業<8285>との業務提携も発表した。新中期経営計画では26年1月期目標値を上方修正した。23年1月期は赤字予想となったが、老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、24年1月期以降の収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

株価は年初来安値圏で軟調だ。目先的には下方修正を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。12月8日の終値は944円、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円81銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約85億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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