☆株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします

独占禁止法違反はなぜ多い


■「作れば売れる」時代が終わって、「物が売れない」時代になったことが原因

妻最近、「独占禁止法」違反の報道が多いと思いませんか。国際貨物をめぐって日本通運など、液晶ディスプレイモジュールでシャープなど、塩ビ管、圧延鋼板などもありました。

夫そうだね、たしかに多い。ちょっと、調べてみただけで、今年になって10件、昨年で60件ていど違反があった。増えている印象は強いね。

妻どうしてですか。

夫独占禁止法の正式な名称は、「私的独占の禁止及び公正な取引の確保に関する法律」というんだ。一言でいえば、「独り占めはだめ」ということなんだ。日本では、強い力を持っていた「財閥」が、戦後、解体された。マーケットは、公正で自由な競争が大原則で、それが守られることで、各自が創意工夫と努力をする気持ちになる。最近、違反が多いということは、そういう競争はしたくない、という気持ちが企業の中にある。

妻不思議なことは、なぜ、次々と起きるか、ということです。最近は、「内部統制」がうるさく言われていると思うのですが。

夫2つ理由があると思う。1つは、企業の組織の問題があるように思われる。どこの企業もそうだけど、成績を上げることが求められている。常務会とか取締役会で、いくら「法令遵守」と言っても、現場の部署は営業成績の責任を持たされている。成績を上げるために、「ぼやぼやするな」とか、「なんとしてもやれ」とはっぱをかけられる。同じ業界同士の会社の担当者も同じ思いをしているから、お互いに「競争は止めよう」とか、「今月はノルマが達成できないので、うちで取らせてくれ。次は、おたくに回すから」といった談合が行われる。

妻それなら、ノルマをなくしたら、と言いたいところですが、難しい問題ね。それで、もうひとつの理由は何ですか。

夫「需給」のアンバランスがある。僕たちの若い頃を思い出してごらん。いろいろと物が欲しかった時代だった。しかし、十分に物はなかった。製品を作る側も、1社が新製品を出したら、負けじと他社も新製品を出して競争したものだ。今は、物が充足してるから、少しくらいの手直し程度では売れない。そうとう、画期的な新製品でないと勝てない。

妻そうですね。家電を見ているとよく分かります。関西には昔から松下電器(現在のパナソニック)、早川電機(現在のシャープ)、三洋電機がありました。3社が競って新製品を出して消費者に喜ばれていました。今は、各家庭に電化製品はいっぱいです。結局、三洋電機はパナソニックにM&Aです。

夫家電メーカー各社は、儲からない製品は手がけるのを止めたりしている。だけど、まだ依然として価格競争をやっているのが、家電量販店なんだ。A社が1万円ならB社は9900円、といった価格競争をやっている。これも、いつまでも続かないはずだよ。

妻どうなるの。


■人口減少で需要の減少続き、供給者受難の時代は続く

夫社会の営みは「集中と拡散」の繰り返しだから、先行き、何年先になるか分からないけど競争の乏しい社会が来ることも予想される。

妻戦後の物のなかったような時代になるということ。

夫その可能性はある。競争に着いて行けない企業は淘汰される。しかも、日本は先に行くほど人口が減る。8000万人時代は遠くないといわれている。それだけ需要が減るのだから、供給側の企業の数も減る。極端な話をすると、1つの業種には1社だけということだって起こりうる。

妻仮にそうなると、カルテルで価格維持の必要はなくなりますね。1社だけなら、その会社の思うままでしょうから。

夫そうだね。「時代は振り子」のように動反動の繰り返しでもあるから、今のような、「物の値段が安くなることは当り前」がいつまでも続くとは思えない。戦後は、物がなくて、「物の値段が高いことが当たり前」だった。それが、60年経って、今は物の値段が下がっている。次は、物の値段が上がる順番かもしれない。

妻すでにその兆しもあるのではありませんか。

夫たしかに。昨年の原油や穀物の急騰は、先行き、物の値段が高騰する前兆だったかもしれない。

妻戦後は消費者受難の時代で、今は供給者受難ですね。次は、また消費者受難が待っていることも予想されます。私たちの世代は大丈夫でしょうが、子供や孫たちのためには田舎に土地でも手当てして食べるものを作れるようにしてあげたいわ。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.03.20 |特集