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■アメリカがスマートグリットに力を入れる訳=妻と夫の株ロマン


妻 最近、スマートグリットという言葉を耳にします。電力に関係しているようですが、株に関連していますか。

夫 グリッドはコンピューター用語としても使われているけど、電力供給という意味で使われている。スマートに電力を供給する目的から次世代電力供給網ということを指している。もちろん、株についても、これから、関連銘柄は数多く出てくるものとみられる。

妻 スマートというくらいですから、今の電力供給はスマートでなく、あなたみたいに太っていてダサイということですか。

夫 ダサイということではない。今の電力は大量消費地から遠く離れた場所から、高圧送電線で送られてくる。何割かは送電中にロスとなるから高圧で送らなくてはいけない。高圧をヘビー(重い)として捉えれば、次世代の送電はスマートに効率よく送電する、という意味合いになるだろう。

妻 効率よく送電する、ということはどういうことですか。

夫 今は電力需要の多い時も、少ない時でも、同じように一方通行で送られている。分かりやすい例でいえば、夏場の暑い時期で、甲子園の高校野球があるような時は使用される電力はすごく多い。反対に深夜などは少ない。地域によっても使用量は違ってくる。通勤時間帯には電車をたくさん走らせ、通勤以外の時は運転する電車を少なくするのと同じように、電力も必要に応じて賢く供給しようということが基本的な考え方だろうね。

妻 でも、日本では電力不足の問題や、停電などはほんとありません。今のままで間に合っていると思いますけど。

夫 たしかに、アメリカなどとは違うところはあると思う。日本はアメリカのように頻繁に停電は起きない。また、国土の広いアメリカ、中国とは違って、日本では国土の隅々にまで電気が通じている。とくに、電力供給に重大な問題があるということではない。このため、日本ではスマートグリットはアメリカほどは盛り上がらないのではないか、という見方もある。しかし、環境問題が関係してきたことで事情は変わってきたと思う。

妻 CO2の問題ですか。ですけど、CO2削減を叫んでいるのは日本だけではありませんか。環境問題とスマートグリッドはどのように関連してくるのですか。

夫 CO2削減そのものでは、アメリカはそれほどメリットはないと思っているだろうね。たとえば、環境対策車では、長く、ガソリン大型車にこだわってきたため、ハイブリット車や電気自動車では遅れてしまっている。工場などの物作りのところでも大量生産でやってきたため環境対策で遅れている。環境問題の面でアマリカが優位に立てるのは何か、と考えたときにスマートグリッドが浮上したと思うんだ。

妻 CO2削減そのものの分野ではアメリカは得意でないことは、あるていど分かります。だけど、どうして賢い電力送電網なのか。まだ、よく分からないわ。

夫 オバマ政権が誕生したのは2009年1月だった。その1ヶ月後にはスマートグリットに1兆1000億円もの予算をつけている。なぜ、それほど政権誕生と同時に力を入れるのか。電力と捉えないで「IT」として捉えるといい。

妻 アメリカはITに強いということがバックにあるからですか。

夫 そうなんだ。1970年代にアメリカは軍事技術を活用して、世界に先駆けてインターネットを開発し実用化に成功した。それ以降、インターネットではアメリカが世界で圧倒的な地位を確立した。コンピューターを結んでネットワーク化したのと同じ発想で、今度も、その応用編といえる。

妻 パソコンの代わりに電力機器などを結んでネットワークにするということですね。

夫 その通りだろうね。スマートグリッドというより、『電力版インターネット』と位置づければアメリカの狙いも見えてくる。早く手を打って、世界での地位を確立したいはずだ。

妻 なるほどね。でも、それでも疑問です。日本では、そこまで電力をコントロールしなくても十分だと思います。少子高齢化で日本の電力需要は増えないと思うわ。

夫 このほど、経済産業省が2030年までの「エネルギー基本計画」の骨子を発表した。これはヒントになると思う。新たに原子力を14基つくるとされている。同時に太陽光発電を2030年までに2005年の40倍にあたる5300万キロワットにすることが盛り込まれている。このほかにも、風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーの発電量をすべて買い取る制度を実施する。このほかにも、すべての新車販売をすべて電気自動車、ハイブリット車などの次世代車とすることが明記されている。

妻 つまり、発電が多様化して、一方で使う側も変わってくるわけですね。

夫 そうだね。これまでは、発電所―高圧送電線―変圧器―需要家、という一方通行でよかった。これからは、たとえば各家庭で太陽光などで発電された電力を逆に電力会社が受け入れなくてはいけない。電気自動車の充電スタンドも必要になってくる。つまり、電力を双方向で調整しなくてはいけない。この点にスマートグリッド(賢い送電)が必要となってくる。

妻 日本も遅れるわけにはいかないということですか。

夫 太陽光発電、バイオマス発電、風力発電、電気自動車など、ひとつひとつを取れば日本はどれもすばらしい製品力を持っている。しかし、システム化ということでは弱いところがある。中国もスマートグリッドを活用した電力供給体制に50兆円もの予算をつけた。日本もこうした環境対策の事業を個々に展開するだけではなく、地域を丸ごと省エネのクリーンエネルギーで一括受注するようなプロジェクトとしての展開が大切となってくるだろう。関連銘柄では電力メーターなどは、大変、有望といえるだろう。


 
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.03.29 |特集