なぜ、GM、フォードを救済しないのか
■成功者も失敗者もない社会へ行くのかどうか
「アメリカンドリーム」のアイデンティーが問われている

NYはよく下げますね。景気が悪くなることは分かっていても実際にこれだけ下がると手を出し難くなります。

そうだね。昔から、『人も我も、弱気となって底が入る』と言われた。他人より勉強して、自分だけは見通しは的確であると思っていても、現実の悪いことを次々と見せつけられると、自信がなくって、信念をくつがえして、「やはり良くないのかな」、と思うようになり、持株を投げる。往々にして、そういう時が底になると教えている。話は飛躍するけど、石川五右衛門が釜あぶりで処刑されたとき、とうとう最後は頭の上にかざしていた自分の子供を尻に敷いたと、亡くなったおばあさんが語ってくれた。最後は信念より自分の身が可愛いということのようだ。

そうよね。簡単には、自分を犠牲にしてまでという気持ちにはなれませんわね。あなたも、わたしを大切にしないと「損切り」するわよ。

それだけは勘弁。この歳では、ひとりで生きていけない。

アメリカの自動車の救済が進まないことが、今の大きい悪材料のようですね。どうして、進まないの。AIGは助けたのに。

自動車は、世界へ販売していても、ある意味、売り放しでいい。しかし、保険はそうはいかない。保険は売った後も契約が続いている。AIGは、助けないわけにはいかない。
■新大統領就任まではNYダウの方向感は定まり難い

GM、フォードだって、多くの従業員がいるのですから、破綻すれば失業は増えるでしょうに。

アメリカは、知っての通り、「これだけはやってはいけない、たとえば殺人などだね」、それさえ守れば、何をやるのも自由なんだ。成功して、年収が何億円だろうと。しかし、失敗しても本人の責任。それが、アメリカ建国(1777年)以来の基本的な考え方だ。「アメリカンドリーム」といわれる。それが、なくなったら、母国を離れて、新天地アメリカへ移住して先祖に顔向けできないという思いはある。だから、今度の自動車救済が難しくなっている。

日本のように、固いことは言わないで、ということが通じないのですね。

そうだね。日本は農耕民族だから、すべての恵みは天から与えられるものという気持ちが強い。アメリカは狩猟民族だから、与えられるものではなく、全てのものは勝ち取るものという考えなんだ。常に、目標を持って、それにふさわしい行動を取る。日本人も働き者だけど、似ているようで微妙に違う。だから、ジェームス・アレン著の「原因と結果」の本がバイブルのように読まれる。

話が、違う方向へ行きました。結論としては、アメリカが「建国精神」をどうするか、ということで、落ち着くまでには、まだ時間がかかるということですね。

アメリカンドリームは共和党の方が強いだろうね。しかし、国民が民主党のオバマさんを選んだことで、アメリカという国のアイデンティ(個性)が問われることになると思われる。このあたりを、アメリカのマーケットは気にしている可能性があるかもしれないね。新大統領が就任するまでは相場の方向感はつかめないと思うよ。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.11.07 |
特集