■アメリカの景気回復に欠かせない「NYダウ」の演出!:妻と夫の株ロマン
■NYダウは、どうして30銘柄?

前回(11月29日)は、あなたの、『ヘソ曲がり円高論』を聞かせてもらいました。あなたのことですから、「為替」の次は、当然、このところ、強い動きの、「NYダウ」についてもヘソ曲がりを喋りたいと思いますけど。

実はそうなんだ。お言葉に甘えて、語らせてもらうよ。

「円高」は仕掛けれたもの、ということでした。NYダウも同じですか。

証拠があるわけではない。しかし、「NYダウを高くしたい」、という意思は働いているように思われて仕方ないんだ。

NYダウを、上げるとなると、大変でしょう。

僕は、それほどでも、ないと思っているよ。もちろん、景気、企業業績が08年のリーマンショックのような悪い時には無理だけど。今のように、景気が回復に転じている時には、可能だと思う。「株高」を演出することで、景気回復を加速させる効果が期待できるからね。NYダウは、どのくらいの銘柄数で構成されていると思う?

日経平均は、225銘柄でしたから、同じくらいでは、ありませんか。

そんなに多くない。わずか、「30銘柄」で計算されているんだ。採用されている30銘柄が、元気なら、当然、NYダウも元気な動きになる。かつては、日本でも、当時は東証平均株価(現在は日経平均)と呼んでいたけど、ソニーが仮に200円上がれば、1割、20円程度、東証平均株価が上がる計算だった。今は、ソニーに代わって、ユニクロの、「ファーストリテイリング」の効果が大きくなっている。

なるほどね。仮に、NYダウに採用されている30銘柄が、ユニクロ型の元気印銘柄だったら、景気の実体以上に、NYダウの動きがよくなるわけね。

その通りだ。「どうして30銘柄でなくてはいけないのか」。ヘソ曲がり的に考えて行くと、「銘柄数は少ないほどダウは変動しやすい」、ということがある。

でも、変動が大きいことは、下がる時だって大きくなるのではありませんか。

その通りだね。短期的な、たとえば、昨年のリーマンショックのような時は別だけど、中長期な観点では銘柄を入れ替えればいいんだ。長い産業構造の変化の中では、衰退していく産業や企業は必ず出る。そういった、「弱い銘柄は外せばいい」、「弱い銘柄が含まれていてはいけない」、そういう発想がアメリカにはあるように思える。
■NYダウは変化する社会の中で元気のよい銘柄が選ばれている

30銘柄は入れ替えられているということ。

今度の経営不振でGMだって外れた。長い、NYダウの歩みの中で、最初から採用されているのは、「GE」1社だけだと思うよ。常に、変化する社会の中で元気のよい銘柄が選ばれている。

つまり、「NYダウは,強いアメリカの象徴でなくてはいけない」ということですか。

その通りだね。アメリカは、「自由と平等」のもとでの、「競争社会」だから、常に、強いヒーローを求める。だから、イチローさんや、松井さんのようにアジア人であっても、アメリカのフィールドで活躍すれば認めてもらえる。同じように、NYダウも、短期的には別としても、基本的には強い存在でなくてはいけないという、考えがあると思うんだ。

だから、少ない銘柄数の30銘柄ということですか。

どのような経緯で30銘柄になったかは勉強不足で分からない。まさか、1銘柄だけでは指数とならないから30銘柄程度になっているように思われる。

NYダウには、強い銘柄が選ばれていることは理解できました。短期的な観点で見た場合、なぜ今、NYダウが、高いことを演出されていると思うのですか。

景気回復に弾みをつけたいことがあると思う。それに、今、アメリカは世界における地位が低下しているから、少しでも強く見せたい気持ちはあると思う。

でも、一方で、ドルが安くては、強いアメリカにはならないのでは。

ドル安は仕方ないと思っているのではないだろうか。景気が、まだ本格的に回復していない。だから、金利を上げるわけにいかない。低金利政策を続けざるをえない。その結果、ドル安は容認せざるをえない。しかし、ドル安によるアメリカの輸出面への効果は期待できる。さらに、今は、アメリカもデフレ基調だから、ドル安によってインフレ含みになってくれる方がいい。ドル高政策を使えないから、NYダウに高くなってもらって、景気は上向いているという雰囲気を作りたい意志はあると思われるんだ。為替は、景気に直接作用する面が強いけど、株は景気に対し心理的な効果が大きい。
■アメリカの景気回復に欠かせないNYダウ

政府がNYダウの30銘柄を買うように働きかけているの。

それはないと思う。しかし、機関投資家などのプロの運用者は、こうしたアメリカ政府の意思は十分に感じ取っていると思う。つまり、「政府は株高に賛成なんだ」と。悪い材料は出難いだろうと読むだろう。

ドル安で、輸出の増加政策とインフレ政策を採りながら、一方で株高を演出して強いアメリカ経済を印象づける、ということですね。だけど、「いつまでも」ということにはならいでしょ。

そうだね。シナリオが、いくらよくても、演じる役者が下手では、お芝居はつまらない。ここからの役者は、「失業率」であり、「GDP」、「消費」などが、目に見える形て良くならないといけない。

4日に発表された、アメリカの雇用者数は、かなり改善されていました。

しかし、ヘソ曲がり的にみれば、後で修正があるのではないかと疑ってしまう。速報値ではよかったが、確報では、あまり良くなかったと。その可能性がないとは言い切れない。見方を変えれば、それだけ、今のアメリカ景気は重要な時期に来ている。大統領就任、まもなく1年になる。なんとしても景気を上向かせたい気持ちが強いと思う。そのための、NYダウが、ひと役もふた役も買っているように思われる。年末から年初にかけて、役者の芝居が上手くないようだと、観客は帰ってしまう心配がある。もうしばらくはNYダウは堅調が予想されると、ヘソ曲がり的には見ているよ。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.12.05 |
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