■円高はいつまで続く?どこまで続く?=妻と夫の株ロマン

1ドル・81円台へ急激な円高です。わたしたち庶民には、円高が、「どうしてなのか」、「いつまで続くのか」、「どこまで続くのか」、疑問ばかりです。先日、政府・日銀は為替介入したばかりなのに、効き目なしですか。

現実に、円高が進んでいることで言えば、「効き目はなかった」と言わざるを得ない。9月15日に日銀が2兆円規模の円売り・ドル買いの介入を実施したことで、円相場は1ドル・83円台から85円台へ円安になった。しかし、効果はそこまでだった。仮に、介入がなかったら、もっと、早く円高が進んでいた可能性はあっただろう。結局、政府・日銀の介入は、多少のブレーキの役目はあったていどということだろう。

分からないわ。2兆円もよ。庶民の感覚では、凄い数字です。

われわれの生活感覚では2兆円はたしかに大きい金額だ。しかし、世界に出回っているドルに比べると微々たるものだ。世界には、想像できないほどの、多くのドルが流通している。そのドルを相手に、一国だけで、向かって行くこと自体が無理な話だ。為替変動は、「強調介入」がなくては止められない。仮に、今回、協調介入が行われている時の2兆円なら効果はあったと思う。

たしかにね、ドルが基軸通貨ですから、ドルは世界にじゃぶじゃぶです。でも、どうして協調介入がないのですか。少なくとも、日米の間では、円高で困っている日本を助けてくれてもよいのではないですか。

3つくらい理由があると思っている。(1)アメリカの景気対策、(2)対中国、「人民・元」への圧力、(3)日本の対米姿勢軽視への報復、などが考えられる。

アメリカの景気は良くなったといわれています。実際、ニューヨークダウは前週末10月8日には1万1006ドルと1万1000ドル台に乗せています。リーマンショックでつけた09年3月の安値6469ドルから1年半で70%も上昇しています。

足元の景気、企業業績はリーマンショックの頃に比べると回復はしている。リーマンショックの09年3月頃は病人でいえば緊急入院で集中治療室に入っていた状態だった。その緊急時からみれば回復している。しかし、まだ退院ができる状態ではないと思う。

ダウが1万1000ドルにもなっているのにですか。

病院で医師の監視のもとだから安定している。政府(医師)の力なくして民間(患者)だけで、元気な生活を続けるだけの体力はない。前週末に発表された9月のアメリカの雇用統計は雇用が9万5000人も減少した。大変なことだ。雇用が悪いと、GDPの多くを占める消費には期待できない。先行きの景気への不安が極めて強い。

ドクターにあたる政府が2009年3月の頃と同じような処置をとればよいではりませんか。

09年3月のときには、多くの財政資金を投入したため政府に財政面の余裕がなくなっている。だから、お金がなくて困っている。結局、ドル安政策によってアメリカ企業の輸出を増やすということなんだ。

ドル安のために、「金融緩和」と「金利低下」という政策ですか。

そうなんだ。とくに、11月には中間選挙もあるから、なんとかドル安にして景気を支えたい。したがって、アメリカは日本の円高(ドル安)防止策には協調できない。そこへ、中国が輸出を伸ばして米中の貿易不均衡を生んでいる。これも中間選挙には不利なことだ。人民・元との関係でも人民元・高=ドル安としたい。

3つ目の理由のアメリカが日本への報復とはどういうことですか。

報復と決めつけるわけではない。日本では09年秋に自民党から民主党へ政権が変わって、民主党はアメリカに対し強い態度で臨むようになった。オナマ大統領が訪日されているときに、当時の総理は最後まで、きっちりと対応しないでオバマさんを残して外国へ行ってしまった。当時の幹事長も200人近い党員を連れて中国へ「握手外交」に出向いた。アメリカはそうとうアタマに来たといわれる。報復とまでは言い切れないけど、アメリカ国民としては円高(ドル安)で日本を少しくらい締め付けるべきとの思いはあるだろう。それに、これまで、中国の経済拡大で、日本企業は中国相手にがっぽり儲けたはずだから、少しくらい吐き出せという思いもあるだろう。

背景には外交問題があるのですね。

そうだね。極論すれば、日本はアメリカ寄りで行くのか、中国寄りで行くのか。どちらなんだということが根底では問われている。日米の間がギクシャクすると、今度の尖閣列島問題にみられるように他国からの領土問題が出てくる。

為替問題は外交問題の表れなんですね。

外交なくしては語れない。日本は世界のどの国とも仲良くしていくことは大切なことだ。たけど、われわれ国民に対しては、根底のところでは、今後もアメリカ流の自由主義でいくのか、あるいは中国のような共産主義でいくのかを問われていることでもある。一時、日本の民主党政権は中国寄りに傾きかけたけど、今はアメリカとの修復に動いている。しかし、アメリカはそれが本物かどうかを今後も見極めようとするだろう。

結局、円高はいつまで続くの。

少なくとも、アメリカの中間選挙が終わるまでは続くだろう。その後、どう推移するか、まったく分からない。日本の外交の姿勢次第ということが大きいと思われる。
提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2010.10.10 |
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