日経平均の7月9日場中安値攻防がポイント、キープできれば二番底=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

■景気に対するリップサービスは期待できそうだ

犬丸正寛の相場展望 来週(24~28日)は、日経平均がギリシャのデフォルト危機で下げた、去る、7月9日の場中安値1万9115円をキープできるかどうかが最大の注目点である。終値ベースでは、7月8日の安値1万9737円を下回ってきただけにプロがウオッチする場中値でも安値を下回ることになれば先行き厳しい相場展開が予想されることになる。もちろん、7月9日安値を維持できれば、二番底となって反発が見込まれる。

7月9日当時との違いは、日経平均週足チャートが当時は26週線をキープしていたのに対し今回はかなり大きく割り込んできたことだ。それでも、2,3週で26週線を奪回できれば問題ないが、それ以上になるとアベノミクスに対する信頼がグラつくことにもなり日経平均はNYダウのように上値切り下げ型に転換する心配がある。来週は大事な週である。

原油相場が40ドルぎりぎりまで下げるなど中国経済の下降を懸念して商品相場が軒並み下落している。中国発世界景気下降から物(商品)の需要が落ち込むという見通しである。中国は世界第2位の経済大国でありギリシャとは比較とならぬ影響がある。当然、アメリカ経済も影響を受けることから利上げは遠のきドル売りにつながり、円高となって日本のマーケットに激震となっている。しかも、朝鮮半島がキナ臭さを越えて軍事緊張が高まっていることも新たな懸念材料だ。

日本でも4~6月のGDPがマイナスに落ち込むなど景気に楽観できない状況となっている。ただ、アメリカが3度の金融量的緩和のカードを使い切ったのに対し日本はもう一回、緩和のカードが残っている。どこで使うかということはあるが、期待材料として日本株の下支えにはなる。

順当に予想すれば9月の自民党総裁選挙、10月の内閣改造が終わったあとだろう。それまで、金融緩和等のリップサービスはあっても具体化には至らず、これから先、マーケットは引き続き中国問題に左右される安値圏での波乱相場が予想されそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る