大林組は100%バイオディーゼル燃料の活用に向けた実証実験を開始、廃食用油が建設機械の燃料に

■建設現場におけるCO2排出量削減と資源循環プロセスの構築を目指す

 大林組<1802>(東証プライム)は13日、自社施設や一般家庭などから出た廃食用油を回収、100%バイオディーゼル燃料(B100燃料)に精製し、同社が手がける2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の建設工事で稼働する建設機械の燃料として活用する実証実験を行うと発表。

 同社は、施工中の排出を含むScope1+2において、2030年度までに2019年度比46.2%の温室効果ガス排出削減を目標に掲げ、2022年10月にSBT認定を取得した。2023年度は2019年度比16.8%の削減達成を見込むなど対応を進める一方で、長期的な目標の達成のためには、建設現場におけるCO2排出量の約7割を占める軽油燃料に代えて、バイオディーゼル燃料の活用を推進していく必要がある。

 この実証実験では、松林、西尾レントオールと協働し、同社大阪本店および西日本ロボティクスセンターの食堂で使用した食用油(*1)を回収し、一般家庭などから出た廃食油とともに製造委託先(*2)でB100燃料を精製、松林が配送を担当し、大阪・関西万博の同社が施工する工事にて、西尾レントオールから借り受ける建設機械(油圧ショベル、発電機)に軽油に代わる燃料として使用する。同実験を通じて、B100燃料使用時の建設機械のメンテナンスやモニタリング方法の確立、エンジンへの影響評価などを調査するとともに、燃料調達から精製、建設機械への供給、使用までの資源循環プロセスの構築を目指していく。

 同社では、今回の実証実験開始に先立って、2023年2月から3月にかけて、東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>(東証プライム)と共同で、同社発注の「品川開発プロジェクト(第1期)4街区」(東京都港区)の建設現場で、20%バイオディーゼル燃料を一部の建設機械に利用する実証実験を実施し、正常稼働を確認した。

 また今回の実証実験と並行して、多様な再生可能原料を水素化処理で精製したリニューアブル・ディーゼル燃料をフォークリフトに活用する実証実験も開始する予定である。

 同社は、今回の実証実験を通じて、B100燃料の活用拡大と資源循環プロセスの構築につなげ、CO2排出量削減効果のさらなる向上と、地産地消エネルギーの活用を推進する。さらに、バイオディーゼル燃料の活用のほか、電動建機の導入、再生可能エネルギーの導入、ZEBの推進・拡大、低炭素資材の開発・実用化など、さまざまな取組みを推進し、脱炭素社会実現に貢献していく。

*1:食堂の運営会社であるエームサービス株式会社(本社:東京都港区、社長:小谷 周)が提供するもの
*2:大西衛生株式会社(本社:京都府京丹後市、社長:大西 明)
株式会社日本環境管理センター(本社:岐阜県海津市、社長:牧野 好晃)
有限会社関環境サービス(所在地:岐阜県関市、社長:溝口 雅也)
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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