科研製薬の第1四半期は営業利益が通期予想の43%に達す、前年対比では18%減だが実質好調

■関節機能改善剤「アルツ」、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」好調

 科研製薬<4521>(東証プライム)の2024年3月期・第1四半期(23年4~6月)連結決算は、売上高が前年同期比0.3%減の181億50百万円で、ほぼ前年並みとなり、営業利益は前年同期比18.8%減の32億93百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同13.7%減の25億10百万円だった。

 営業利益は、研究開発費が28%増加したことなどにより減益率が大きくなったが、5月に開示した今3月通期の予想営業利益76億円との対比では43%に達し、進ちょく率の高さが顕著。四半期純利益も通期予想の37%に達した。主力製剤に薬価改定の影響はあったが、実質的には好調さのうかがえる決算となった。

 医薬品・医療機器では関節機能改善剤「アルツ」や、6月1日に新容器であるツイストボトルを発売した原発性腋窩(えきか:ワキの下)多汗症治療剤「エクロック」などが好調に推移。農業薬品も好調。不動産事業のセグメント利益は同8.9%増加した。

 今期・24年3月期の連結業績予想は5月に開示した数字を継続し、売上高は731億円(前期比0.2%増)、営業利益は76億円(同5.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期の特損の反動増もあり67億円(同23.2%増)、1株利益178円80銭を見込む。薬価改定の影響はあるものの、「アルツ」や「エクロック」等が伸長することから、全体としては増収を見込む。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る