ファンデリー、26年3月期大幅増収・黒字転換予想、マーケティング事業は受注拡大を見込む

 ファンデリー<3137>(東証グロース)は4月30日に25年3月期業績(非連結)を発表した。計画を下回り減収・赤字だった。マーケティング事業で獲得を見込んでいた大型案件の失注などが影響した。26年3月期は大幅増収・黒字転換予想としている。MFD事業はミールタイム価格改定効果、CID事業はリテール販売拡大と価格改定効果、マーケティング事業は受注拡大を見込んでいる。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は急伸して年初来高値更新、利益確定売りで急反落と乱高下の形だが、戻りを試す展開を期待したい。

■25年3月期は減収・赤字、26年3月期は大幅増収・黒字転換予想

 25年3月期の業績(非連結)は売上高が24年3月期比6.9%減の24億64百万円、営業利益が1億33百万円の損失(24年3月期は58百万円)、経常利益が1億82百万円の損失(同55百万円)、当期純利益が1億83百万円の損失(同66百万円)だった。

 計画(24年4月30日付公表の期初計画値、売上高30億72百万円、営業利益62百万円、経常利益20百万円、当期純利益19百万円)を下回り減収・赤字だった。MFD事業とCID事業の販売が伸び悩んだほか、マーケティング事業で獲得を見込んでいた大型案件の失注などが影響した。

 MFD事業は売上高が4.6%減の19億70百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が10.5%減の2億90百万円だった。定期購入顧客数の減少や仕入価格高騰などにより減収減益だった。なお期末の定期コース会員数は前期末比113人減の5971人と減少傾向が続いているが、アクティブ会員数は2000人増の2万6088人と回復傾向である。また紹介ネットワーク数は486箇所減少して1万9212箇所となった。

 CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が36.1%減の1億56百万円、利益が3億89百万円の損失(24年3月期は3億23百万円の損失)だった。前期の販売数を下回り、損失拡大した。なお期末時点のリテール販売新規導入店舗数は384店舗となった。

 マーケティング事業は売上高が17.7%減の3億91百万円、利益が21.2%減の2億69百万円だった。第4四半期に獲得を見込んでいた大型案件の失注などが影響した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高5億84百万円で営業利益48百万円の損失、第2四半期は売上高5億80百万円で営業利益79百万円の損失、第3四半期は売上高7億05百万円で営業利益38百万円、第4四半期は売上高5億94百万円で営業利益43百万円の損失だった。

 26年3月期の業績(非連結)予想は売上高が25年3月期比21.5%増の29億92百万円、営業利益が86百万円(25年3月期は1億33百万円の損失)、経常利益が28百万円(同1億82百万円の損失)、当期純利益が26百万円(同1億83百万円の損失)としている。

 セグメント別計画は、MFD事業の売上高が10.0%増の21億67百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が9.5%増の3億18百万円、CID事業の売上高(セグメント間の内部売上高含む)が154.2%増の3億98百万円で利益が2億85百万円の損失(25年3月期は3億89百万円の損失)、マーケティング事業の売上高が32.9%増の5億20百万円で利益が42.9%増の3億85百万円としている。

 大幅増収・黒字転換予想である。MFD事業はミールタイム価格改定効果(米を使用している商品を中心に25年6月1日注文分より改定)、CID事業はリテール販売拡大と価格改定効果(ECサイト向け商品は25年7月1日受注分より、小売店向け商品は25年9月1日納品分より、すべてのカテゴリを対象に平均11.3%の値上げ)、マーケティング事業は受注拡大を見込んでいる。CID事業のリテール販売新規導入店舗数は第1四半期時点で817店舗となっており、第2四半期には3000店舗への導入を目指す。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は急伸して年初来高値更新、利益確定売りで急反落と乱高下の形だが、戻りを試す展開を期待したい。4月30日の終値は630円、今期予想PER(会社予想のEPS4円23銭で算出)は約149倍、前期実績PBR(前期実績のBPS35円03銭で算出)は約18倍、そして時価総額は約41億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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