ヤマハ発動機、世界初の植物由来次世代素材で水上オートバイとスポーツボートを量産化

■CNF強化樹脂部品は日本製紙との協業によって開発

 ヤマハ発動機<7272>(東証プライム)は25日、CO2削減、環境負荷低減に対する取り組みとして、植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂を、水上オートバイ「ウェーブランナー」とウォータージェット推進機を搭載する「スポーツボート」の2024年モデルへ採用し、北米にて販売を開始した。同素材の輸送機器部品の量産化は、世界初(同社および日本製紙株式会社調べ)の事例となる。

 量産化したCNF強化樹脂部品は、エンジン部品の一部である”エンジンカバー”に採用した(一部で本部品を採用していないモデルがある)。同製品は日本製紙<3863>(東証プライム)との協業によって開発を進めてきた。将来的にはマリン製品のみならず、種々のセルロースファイバーの活用を視野に入れ、二輪車などを含めた同社の幅広い製品群への展開を検討している。

 CNF強化樹脂は、木質資源を活用したバイオマス素材であるCNFを、ポリプロピレンなどの樹脂へ混練・分散することにより製造される高強度な新素材である。既存樹脂材料と比較し、25%以上の軽量化が図れることに加えて、マテリアルリサイクル性に優れるため、プラスチック使用量の削減とCO2を主とした温暖化ガス排出削減につながる。

 同社は、2022年2月発表の中期経営計画(2022~2024年)において、持続的な社会への貢献を目指し、サステナビリティ対応の強化を進めている。目標達成に必要なカーボンオフセットの取り組みを加速させるため、今後もサステナビリティに寄与する技術の研究・開発を推進するとしている。

■HOエンジン

【参考】新型高出力自然吸気エンジン(HOエンジン)
・ 15年ぶりに高出力自然吸気エンジン(HOエンジン)をフルモデルチェンジ。業界最大となる1.9Lへ排気量UP、ウォータージェット推進機用自然吸気エンジンとして最大出力を達成した。
【参考】水上オートバイ「ウェーブランナー」 2024年モデルの紹介
・ LUXURY、PERFORMANCE、RECREATION、REC LITE、FREESTYLEの合計5シリーズ/20機種をラインナップ。
・ 新HOエンジンは、LUXURYシリーズ、PERFORMANCEシリーズ、RECREATIONシリーズの3シリーズで合計5機種に導入した。
【参考】「スポーツボート」2024年モデルの紹介
・ 19フィート、22フィート、25フィート、27フィート、WAKEシリーズ、センターコンソールの合計6シリーズ/30機種をラインナップ。
・ 新HOエンジンは、19フィート、22フィート、25フィート、WAKEシリーズ、センターコンソールの5シリーズで合計17機種に導入した。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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