世界半導体市場、2026年に9754億ドルへ、AI関連が牽引

■データセンター投資が市場を押し上げ、日本市場は2026年に再成長

 一般社団法人WSTS日本協議会は12月2日、WSTSによる2025年秋季半導体市場予測の結果を公表した。今回の予測は2025年9月までの実績値を基に作成され、メモリー製品やロジック製品を中心とした世界市場の高い成長見通しが示された。AI需要を背景にしたデータセンター投資が依然強い伸びを見せる一方、自動車などAI非関連分野では回復基調が緩やかにとどまるなど、需給環境の二極化も指摘された。

■地政学リスク残る中でも広範な用途で回復、世界的な成長基調が鮮明

 世界半導体市場は2024年が前年比+19.7%となり、2025年は+22.5%、2026年は+26.3%と成長加速を予測した。特にロジック製品は2025年に前年比+37.1%、メモリー製品は+27.8%と高い伸びを見込み、エッジAIを搭載したスマートフォンやPCなども市場拡大に寄与するとした。地域別ではアメリカ市場が2025年に+29.1%と伸長する一方、日本市場は同-4.1%と慎重な見通しとなったが、2026年には再び2桁成長を見込んだ。

 WSTSは世界50社が加盟する統計機関で、半導体製品の販売額を同一基準で毎月集計し、市場分析の基礎となる唯一の国際統計を発行している。市場予測はマクロ経済や主要電子機器の動向を踏まえて作成されるが、価格や需給バランスに関する議論は禁止されている。今回の公表結果では、各国の政策支援が需要下支えとして働く一方、地政学リスクの高まりが先行き不透明感を残すとし、AI関連製品が市場の成長を牽引する構図が改めて鮮明となった。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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