【注目銘柄】デルソーレはV字回復の業績上方修正を見直しリオープン関連のバリュー株買いが再燃

■創業60周年に向け増配も視野

 デルソーレ<2876>(東証スタンダード)は、前日11日に12円高の530円と5営業日ぶりに反発して引け、取引時間中には537円と買われる場面があり、8月16日につけた年初来高値577円を窺った。同社は、今年8月14日に今2024年3月期第1四半期(2023年4月~6月期、1Q)決算の開示に合わせて、今3月期通期業績を上方修正しており、通期業績がV字回復するのを見直しリオープン(経済活動再開)関連のバリュー株(割安株)買いが再燃した。通期業績上方修正時には、2日連続ストップ高を演じており、この急騰後の目先調整一巡の三角保ち合いの煮詰まり感も再現期待を高めている。

■食品事業では業務用が好調に推移し価格転嫁効果も上乗せ

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げ4億円、営業利益を6億2000万円、経常利益を6億円、純利益を3億6000万円それぞれ引き上げ、売り上げ175億円(前期比3.6%増)、営業利益8億円(同91.5%増)、経常利益8億円(同55.0%増)、純利益4億8000万円(同58.4%増)と見込み、期初の連続減益予想が増益転換してV字回復する。食品事業では、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が「5類」に移行し、インバウンド需要の拡大などから外食需要が回復し、主要顧客の業務用売り上げが好調に推移し、円安・ドル高や原材料価格の上昇に対応して価格転嫁も進め、生産性向上による原価低減効果なども上乗せとなったことが要因となった。

 なお今期1Q業績は、売り上げ45億8100万円(前年同期比13.8%増)、営業利益4億1200万円(同2.54倍)、経常利益4億2000万円(同90.6%増)、純利益2億7100万円(同94.3%増)とV字回復して着地し、上方修正された今期通期予想業績に対しても52%~56%の利益進捗率を示し、目安の25%を大きく上回った。なお通期業績再上ぶれ期待につながっている。今期配当は、年間10円(前期実績10円)を予定しているが、2024年11月に創業60周年を迎え、中期経営計画で最終年度の2027年3月期に売り上げ185億円、営業利益10億円を目標業績としているだけに、今期業績の動向次第では、前々期並みの年間12円への増配を催促する展開も想定される。

■三角保ち合いが煮詰まりPER9倍、PBR0.7倍の修正に弾み

 株価は、前期業績の上方修正と期末の配当権利取りで415円高値まで買われ、欧米銀行経営破綻による世界的な金融システム不安にツレ安して年初来安値379円へ調整し、売られ過ぎ修正で431円までリバウンドしたものの、期初の今期業績の減益転換予想が響いて382円まで再調整した。同安値から今期業績の上方修正とともに2日間連続のストップ高を交えて年初来高値577円まで急騰し、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデン・クロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。足元では、500円台固めの三角保ち合いを続けているが、PERは9.8倍、PBRは0.77倍と割安である。GCと低位値ごろ株妙味もオンして煮詰まってきた三角保ち合いを上放れ年初来高値奪回から次の上値目標として2021年8月高値643円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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