フライトソリューションズは24年3月期通期予想下方修正、25年3月期回復期待

(決算速報)
 フライトソリューションズ<3753>(東証スタンダード、フライトホールディングスが23年10月1日付で子会社を吸収合併して商号をフライトソリューションズに変更)は2月13日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。大型納品も寄与して大幅増収となり、各利益は赤字縮小した。通期予想は下方修正した。第4四半期に計画していた大型案件の売上が25年3月期以降に後ズレする見込みとなった。ただし有望案件が目白押しであり、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。株価は下方修正を嫌気する形で昨年来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期3Q累計赤字縮小、通期予想は下方修正

 24年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比22.6%増の24億07百万円、営業利益が29百万円の損失(前年同期は81百万円の損失)、経常利益が30百万円の損失(同97百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が42百万円の損失(同99百万円の損失)だった。大型納品も寄与して大幅増収となり、各利益は赤字縮小した。

 セグメント(第3四半期より区分変更)に見ると、SIソリューション事業は売上高が17.0%増の8億76百万円、営業利益(全社費用等調整)が12.8%増の1億17百万円だった。基幹システム開発や保守が堅調だった。

 決済ソリューション事業は売上高が27.7%増の14億43百万円、営業利益が78.4%増の91百万円だった。無人自動精算機向けマルチ決済端末「VP6800」の大型納品なども寄与して大幅増収増益だった。

 ECソリューション事業は、売上高が3.4%増の87百万円、営業利益が15百万円の損失(前年同期は26百万円の損失)だった。B2B向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B」の新パッケージ開発に注力している影響で赤字だが、多額のプロジェクト損失を計上した前年同期に比べて赤字縮小した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億33百万円で営業利益が46百万円の損失、第2四半期は売上高が9億82百万円で営業利益が85百万円、第3四半期は売上高が7億92百万円で営業利益が68百万円の損失だった。

 通期の連結業績予想については2月13日付で下方修正して、売上高が23年3月期比8.0%増の32億50百万円、営業利益が80百万円の損失(23年3月期は79百万円の利益)、経常利益が90百万円の損失(同56百万円の利益)、親会社株主帰属当期純利益が1億円の損失(同41百万円の利益)としている。

 決済ソリューション事業において、無人自動精算機向けマルチ決済端末「VP6800」の売上が想定を約5億円上回る見込みだが、第4四半期に約7億円の売上を計画していた既存顧客向けマイナンバーカード対応「Incredist」シリーズの納品が25年3月期以降に後ズレする見込みとなった。利益面では原材料価格の高騰も影響する見込みだ。ただし有望案件が目白押しであり、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は下方修正を嫌気する形で昨年来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。2月14日の終値は326円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS60円22銭で算出)は約5.4倍、そして時価総額は約31億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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