【どう見るこの相場】史上最高値の呪縛が解け勝者勝ち抜き戦はもちろん敗者復活戦も同時スタート

■34年ぶりの最高値更新から目が離せない敗者復活戦

 3連休前の22日は、もちろん「金曜日の引けピン」ではない。カレンダーでは、木曜日であった。しかし、日経平均株価は、週末のほぼ高値引け、「木曜日の引けピン」となって、そのアノマリー通りに3連休明け後の東京市場の先行きへの期待を膨らませた。日経平均株価が、34年2カ月ぶりにあの1989年12月29日の史上最高値3万8915.87円を更新し、3万9000円台まで上値を伸ばしたからだ。バブル相場の頂点のユーフォリオ(陶酔的熱狂)とバブル相場崩壊後の7054.98円安値の辛酸をなめさせられたオ―ルド投資家は、呪文のように「サン・パー・キュー・イチ・ゴー(3・8・9・1・5)」とうめき慨嘆し続けてきたが、その呪縛から解き放されることになった。

 幸いなことに、「木曜日のほぼ引けピン」を牽引した米国の画像処理半導体メーカーのエヌビディアは、その後も上昇し東京市場が休場だった23日にはやや上値が重くなったが、取引時間中には823ドルまで買われて続急伸し高値追いとなった。ということで3連休明けの東京市場は、買い優勢、ギャップアップしてスタートすることはまず間違いなさそうである。一部では、前週末の最高値更新を「実感が乏しい高値更新」、「スピード違反」などとする陰口も聞こえようだが、「勝った、勝った」の当たり屋投資家は、「株式投資は結果が命」と意に介さない。それに前週末に新聞、テレビがこぞって最高値更新のニュースで持ち切りとなり、「持たざるリスク」も喚起され新NISA(少額投資非課税制度)を含めたニューマネーの流入加速をサポートすることも見込まれる。

 問題は、ニューマネーを含めて投資資金がどこに向かうかだろう。折から四半期決算の発表が終わり、業績上方修正がストップ高する業績相場が続いていた。そこでこの勝ち組が、勝ち抜き戦を演じることはもちろん、業績が芳しくなかった負け組が、一縷の望みを託して臨む敗者復活戦も交錯し、全般相場をかさ上げし日経平均株価を押し上げる展開も想定される。勝者勝ち抜き戦では、「エヌビディ祭り」の半導体株や円安・ドル高関連の自動車株、金利敏感株の銀行株などがトーナメントの勝ち上がりを競い合うことも有力である。

■木材関連株は花粉症対策で反転、地震関連株は復旧・復興で再起

 ところが今週の当コラムでは、あえて敗者復活戦に注目することにした。というのも敗者のなかに、ストップ高を繰り返し株価が倍化、7割高と急伸する銘柄が出たからである。山大<7426>(東証スタンダード)とテーオーホールディングス<9812>(東証スタンダード)である。2社ともは、住宅資材の販売と木材加工を主力事業とする木材関連株で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大当時は、世界的な木材不足・価格急騰の「ウッド・ショック」と巣ごもり関連の戸建て住宅関連需要関連で高株価を示現したが、その後は、この反動に新設住宅着工の軟調推移、仕入資材、物流費などの価格高騰が重なって業績は急悪化し、山大は、今3月期業績を3回も下方修正し赤字転落幅を悪化させ、テーオーHDは、前5月期に「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消し、今期は黒字転換を予想する病み上がり状態にある。

 2銘柄のストップ高は当初、株価が反発する材料がとくに見当たらず、値動き優先の低位株物色とされた。それが3連休前には、岸田内閣が進めている花粉症対策「初期集中対応パッケージ」の関連株との見方が有力となってきた。2月19日までに林野庁が、花粉の発生源となっているスギ人工林の伐採・植え替えを集中的に進める重点地区として全国合わせて98万へクタールを指定したことが明らかになったからだ。「理屈は後から貨車で来る」と株価先行の後追い感なきにしも非ずだが、折から花粉症シーズンの本番入りである。木材関連株は、山大とテーオーHDをリード株に敗者復活戦へのチャレンジが期待されることになる。

 これに加えてもう一つの敗者復活戦が期待されるのが、今年1月1日に発生した能登半島地震の関連株である。なかでも折からの決算発表で地震の影響で今期業績を下方修正して株価が下ぶれた銘柄である。被災地では、発生からもう2カ月が過ぎようというのにまだ避難生活を余儀なくされる被災者が多く、復旧・復興も遅々としているように見受けられるが、いずれ日常生活や生産活動の正常化に進むのは間違いない。この敗者復活戦候補の2セクター株は、主力半導体株のように大立ち回りは期待薄の傍流銘柄に過ぎないが、日経平均株価がさらに上値追いを強めるなら、当然、底上げ・キャッチアップの力学が働く見込みであり、敗者復活戦に名乗りを上げてこよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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