【相場の視点】チャイナショック第2ステージ

相場の視点

■中国経済問題は経済から政治問題へ、チャイナショックは深刻さ増す

相場が再び大きく崩れてきた。日経平均は、既に8月のチャイナショックでの安値1万7714円を9月8日に1万7415円と下回っていたが、今朝は前日比586円安の1万7059円と急落、「チャイナショック第2ステージ」ともいえる展開となっている。

中国経済の先行き不安を深刻に捉え直す必要があるように思われる。中国経済問題が、米中間の政治問題として浮上してきたと見る必要が出てきたからだ。今回、米中首脳会談では、習主席の訪米前の軍事パレードでは大陸間弾道ミサイルを誇示し、首脳会談では東シナ海での軍事拡大には一歩も譲歩しない強い姿勢をみせた。

アメリカは、国賓待遇で表面上は習主席を迎えたが、安倍総理が米国議会で行った演説を習主席には与えなかった。習主席との会談ではオバマ大統領にほどんどにこやかな表情はなかった。難民問題などはオバマ外交の弱腰が原因とも指摘され、しかも、ここに来て中国の軍事拡大を許しているのもオバマ外交の失敗との見方は米国内で強まっているようだ。

ロシアのウクライナ侵攻でアメリカなどはロシアに経済制裁を課している。中国の東シナ海での埋め立て基地建設に対しアメリカはロシア対応と同じように経済面での締め付けを強化してくる可能性が予想される。ましてや、来年の大統領選挙で仮に共和党が勝利すればその動きは鮮明となるものとみられる。

ロシア経済は制裁によって低迷、欧州経済不振の一因ともなっている。今後、中国経済への締め付けが強化されれば、中国経済減速はより深刻となり立ち直りかけている欧州経済、強いては世界景気への悪影響は避けられない。

今朝は世界経済停滞の影響もあって第一中央汽船が経営破たんした。8月のチャイナショックは中国経済問題を経済だけの問題としてマーケットは捉えていたが、今後は中国経済問題には政治力が加わってきたとみられることを重視しておく必要がありそうだ。

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