【マーケットセンサー】上下に激しく揺れ動く市場、投資家の判断難しく

■日銀とFRB、9月の決定会合に注目

 激震が走った株式市場は、いまだ余震の只中にある。8月5日、日経平均株価は過去最大の下落幅を記録し、翌6日には一転、過去最大の上昇幅を見せた。この大激震から約2週間が経過した今も、市場は朝高後の引け安、朝安後の引け高と、上下に激しく揺れ動いている。本震はこれからなのか、それとも株価変動のエネルギーは出尽くしたのか。市場参加者の間で、判断に迷いが生じているのが現状だ。

 この不透明感を生み出している最大の要因は、震源地が特定できないことにある。日本銀行なのか、それともFRB(米連邦準備制度理事会)なのか。あるいは、乱高下を続ける為替相場か、米国景気の先行き懸念なのか。様々な要因が複雑に絡み合っている。両国の中央銀行が震源地であるならば、9月に予定されている金融政策決定会合への警戒を怠ることはできない。FRBは9月17日、18日にFOMC(公開市場委員会)を、日銀は9月19日、20日に金融政策決定会合をそれぞれ開催する予定だ。

 先日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は、9月のFOMCでの利下げを示唆したと受け取られ、ニューヨーク・ダウは一時、史上最高値を更新した。しかし、為替相場は1ドル=144円台と円高・ドル安に振れており、なお波乱要因が残されている。週明けの東京市場がギャップアップで始まるのか、それともギャップダウンで幕を開けるのか。投資家たちの判断を悩ませる状況が続きそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る