【マーケットセンサー】二つの危機~トランプリスクと自然災害~

■予測不能な政治リスクと季節性リスクの交錯

 国際政治の舞台では、トランプ次期大統領による不規則発言が国際社会に波紋を広げている。メキシコ湾の改称提案やグリーンランド取得、パナマ運河国有化への言及など、領土的野心を示唆する発言が相次いでいる。就任後の政策として、米議会襲撃事件関連の恩赦や、国際緊急経済権限法の発動による関税政策の強化など、予断を許さない状況が続いている。

 しかし、この政治的混乱は投資機会をも生み出している。トランプ詣でを果たし、巨額の政治献金を行った巨大テック企業の株式が、市場で注目を集める可能性が高まっている。不規則発言が逆にポジティブな影響をもたらす可能性も否定できない状況である。

 一方、国内では自然がもたらす二重の危機に直面している。インフルエンザの感染者数が統計開始以来最多の31万7812人を記録し、日本海側では例年の3倍に達する降雪量が観測されている。インフルエンザによる死亡例や、雪下ろし作業中の事故死など、人的被害も報告されている。

 これらの危機は市場に新たな投資機会をもたらしている。インフルエンザ関連では治療薬株やマスク関連銘柄、雪害関連では除雪機メーカーやホームセンター株が注目を集めている。タミフルの出荷調整を発表した中外製薬の株価下落などの動きはあるものの、検査キット関連銘柄や除雪機関連株には依然として強い需要が見られる。これら季節性の危機は、春の到来とともに収束に向かうことが予想され、短期的な投資機会として市場参加者の関心を集めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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