京写は25年3月期3Q累計増収増益と順調、通期大幅営業増益予想据え置き、海外事業が好調

 京写<6837>(東証スタンダード)は1月31日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。増収増益と順調だった。国内は自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、実装関連が好調に推移し、海外はベトナムにおける北米向け自動車分野の受注拡大、インドネシアにおける事務機分野等の受注回復、中国における高付加価値基板の増加や省人化・生産性向上が寄与した。そして通期の大幅営業増益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率が順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は徐々に水準を切り上げて戻り歩調の形だ。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期3Q累計増収増益と順調、通期大幅営業増益予想据え置き

 25年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比5.0%増の196億14百万円、営業利益が10.1%増の10億14百万円、経常利益が32.4%増の7億96百万円、親会社株主帰属四半期純利益が43.6%増の5億46百万円だった。

 国内は自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、実装関連が好調に推移し、海外はベトナムにおける北米向け自動車分野の受注拡大、インドネシアにおける事務機分野等の受注回復、中国における高付加価値基板の増加や省人化・生産性向上が寄与した。なお営業外では為替差損益が1億07百万円改善(前期は為替差損71百万円、当期は為替差益36百万円)した。

 地域別のセグメント業績(内部取引含む)は、日本の売上高が4.4%減の77億10百万円で営業利益が1億38百万円の損失(前年同期は1億96百万円)、中国の売上高が9.2%増の108億25百万円で営業利益が45.9%増の9億円、インドネシアの売上高が31.5%増の20億74百万円で営業利益が2百万円(同66百万円の損失)、メキシコの売上高が31.4%増の1億25百万円で営業利益が10百万円(同3百万円)、ベトナムの売上高が18.1%増の32億78百万円で営業利益が34.5%増の2億40百万円だった。

 製品別売上高は片面板が16.9%増の78億02百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が4.3%減の81億99百万円、金属基板が10.3%増の10億71百万円、実装関連が6.0%増の20億24百万円、その他が7.7%減の5億16百万円だった。用途別売上高は自動車関連が0.7%増の86億54百万円、家電製品が4.6%増の36億12百万円、事務機関連が33.8%増の26億65百万円、電子部品が5.1%増の12億29百万円、電気機器が16.1%増の6億07百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が21.3%減の8億23百万円、そして実装関連が6.0%増の20億24百万円だった。実装関連の用途別売上高構成比は産業機器が51.2%、航空機が14.2%、通信機器が4.9%、自動車が9.6%、電子部品が2.7%、その他が17.4%だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が62億46百万円で営業利益が3億59百万円、第2四半期は売上高が65億61百万円で営業利益が3億06百万円、第3四半期は売上高が68億06百万円で営業利益が3億49百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比1.7%増の250億円、営業利益が20.3%増の13億円、経常利益が6.4%増の9億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.8%増の6億40百万円としている。配当予想については24年3月期比1円増配の11円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は24.8%となる。

 経常利益は24年3月期の営業外収益に計上した海外投資補助金収入2億12百万円が剥落するため小幅増益にとどまるが、生産ラインを増設したベトナム子会社において引き続き旺盛な自動車関連需要が期待されるほか、中国における高付加価値の金属基板の増加や国内における実装関連の堅調推移も寄与して大幅営業増益予想、そして連続増配予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が78%、営業利益が78%、経常利益が82%、親会社株主帰属当期純利益が85%と順調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り歩調

 株価は徐々に水準を切り上げて戻り歩調の形だ。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。1月31日の終値は378円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44円34銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の11円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS569円55銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約55億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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