イノベーションホールディングスは25年3月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 イノベーションホールディングス<3484>(東証プライム)は、2月13日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、不動産売買事業の大型物件売却なども寄与した。そして通期の大幅増益予想(24年11月13日付で利益予想を上方修正)を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は徐々に水準を切り上げて、安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 25年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比18.4%増の124億62百万円、営業利益が46.8%増の10億57百万円、経常利益が42.5%増の10億84百万円、親会社株主帰属四半期純利益が39.5%増の7億24百万円だった。大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、不動産売買事業の大型物件売却なども寄与した。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は、売上高が11.2%増の111億71百万円、営業利益が44.9%増の9億26百万円だった。売上面では営業組織構造改革の成果や仕入物件の対象拡大などにより転貸借物件数が順調に増加し、利益面では転貸借物件仕入コスト(空家賃等)の抑制や、新規成約・既存契約の家賃更新なども寄与した。転貸借契約件数(新規契約件数+後継付け件数)は344件で前年同期比1.7%減少したものの、期末時点の転貸借物件数は24年3月期末比180件純増の2625件となった。解約数は低位で推移しており、転貸借物件数が順調に積み上がっている。

 不動産売買事業は売上高が170.0%増の12億90百万円、営業利益が61.2%増の1億30百万円だった。6物件を売却、8物件を取得して期末時点の保有物件数は6件となった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が37億88百万円で営業利益が2億71百万円、第2四半期は売上高が44億99百万円で営業利益が4億13百万円、第3四半期は売上高が41億73百万円で営業利益が3億73百万円だった。四半期業績は不動産売買事業の大型案件によって変動するが、店舗転貸借事業のランニング収入は第1四半期が33億73百万円、第2四半期が34億52百万円、第3四半期が35億42百万円と拡大基調である。

 通期連結業績予想(24年11月13日付で売上高を小幅下方修正、各利益を上方修正)は据え置いて、売上高が24年3月期比16.8%増の166億57百万円、営業利益が26.1%増の12億28百万円、経常利益が23.6%増の12億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が24.9%増の8億32百万円としている。配当予想は24年3月期比1円増配の21円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は42.5%となる。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が86%、経常利益が87%、当期純利益が87%と順調である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は徐々に水準を切り上げて、安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月13日の終値は980円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円42銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の21円で算出)は約2.1%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS197円73銭で算出)は約5.0倍、そして時価総額は約173億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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