マーケットエンタープライズ、1Qは2桁増収と順調も赤字、主力2事業は拡大し通期大幅増益予想を維持

(決算速報)
 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は11月13日に26年6月期連第1四半期結業績を発表した。売上面は2桁増収と順調だったが、利益面は好調だった前期第4四半期の反動などで赤字だった。ただし通期の大幅増収増益予想を据え置いた。メディア事業を組織再編し、ネット型リユース事業とモバイル通信事業の主力2事業のさらなる成長を推進する。通期ベースでは積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。株価は年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、調整一巡感を強めている。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値は限定的だろう。

■26年6月期1Q赤字だが通期大幅増益予想据え置き

 26年6月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比15.3%増の63億34百万円、営業利益が80百万円の損失(前年同期は69百万円)経常利益が85百万円の損失(同25百万円)、そして株主帰属四半期純利益が1億07百万円の損失(同48百万円)だった。

 売上面はネット型リユース事業、モバイル事業とも拡大して2桁増収と順調だったが、利益面は個人向けリユース事業の売上総利益率が好調だった前期第4四半期の反動で低下したほか、モバイル通信事業の広告宣伝において一時的な非効率が生じた影響などで赤字だった。なお当期よりメディア事業を組織再編してセグメント区分を変更し、ネット型リユース事業の個人向けリユースとマシナリーを統合して個人向けリユースとしたほか、従来のメディア事業を個人向けリユース、おいくら、モバイル、その他に振り分けた。ネット型リユース事業とモバイル通信事業の主力2事業のさらなる成長を推進する。

 営業利益の前年同期比1億49百万円減少の分析は、前期の本社移転関連一時費用の解消で68百万円増加、増収要因で3億03百万円増加、粗利益率低下で2億82百万円減少、売上増に伴う販管費の増加で2億82百万円減少、生産性向上による販管費比率の改善で43百万円増加だった。

 ネット型リユース事業は売上高が8.5%増の31億01百万円、営業利益(全社費用等調整前)が25.9%減の1億67百万円だった。個人向けリユース分野では個人向け商材(中古自動車含む)が高額商材の取扱高増加などで増収だが、相対的に売上総利益率の低い高額品の増加した影響で売上総利益が前期並みにとどまった。農機具分野は販売高が前年同期並みだったが、商品仕入基準見直し効果などにより利益率が改善した。おいくら分野は加盟店数および売上高が堅調に推移した。

 モバイル通信事業は売上高が24.0%増の32億04百万円、営業利益が50百万円の損失(前年同期は1億97百万円)だった。売上面は契約回線数の積み上げにより増収だが、利益面は、新規広告施策の効果発現に時間を要したため新規回線獲得数が想定を下回り、CPA(顧客獲得単価)が一時的に悪化したほか、グループ間での業務委託手数料の見直しなども影響した。

 通期連結業績予想は前回予想(25年8月14日付の期初公表値)を据え置いて、売上高が前期比21.1%増の300億円、営業利益が75.8%増の11億円、経常利益が53.4%増の10億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が34.1%増の6億50百万円としている。

 セグメント別売上高計画はネット型リユース事業が13億円増の140億円(内訳は個人向けリユースが13億円増の136億円、おいくらが1億円増の4億円)、モバイルが40億円増の158億円、その他が1億円増の2億円としている。なおデリバティブ取引の解消により、経常利益のボラティリティ要因だったデリバティブ評価損益も解消する。第1四半期は赤字だったが、個人向けリユース事業の先行指標である買い取り依頼総数が過去最高水準で推移しており、通期ベースでは積極的な事業展開で収益拡大基調に変化はないだろう。

■株価は下値限定的

 株価は年初来高値圏から反落してモミ合う形だが、調整一巡感を強めている。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値は限定的だろう。11月13日の終値は1791円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS121円46銭で算出)は約15倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS254円29銭で算出)は約7.0倍、そして時価総額は約96億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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