冨士ダイス、超硬製金型類の需要拡大が業績を牽引、棚卸資産増加も利益押し上げ、自己株式取得も発表

 冨士ダイス<6167>(東証プライム)は8月12日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。売上面は超硬製金型類の好調が牽引して増収となり、利益面は増収効果や棚卸資産増加効果などにより大幅増益だった。そして通期の増収増益予想を据え置いた。第1四半期の進捗率は順調であり、積極的な事業展開で収益回復基調だろう。なお自己株式取得(上限40万株または3億円、取得期間25年8月18日~25年12月23日)も発表した。株価は順調に水準を切り上げて戻り歩調だ。高配当利回りや低PBRなども評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■26年3月期1Q大幅増益と順調、通期増収増益予想据え置き

 26年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比3.4%増の41億25百万円、営業利益が260.3%増の1億75百万円、経常利益が13.6%増の1億64百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が31.8%増の1億22百万円だった。売上面は超硬製金型類の好調が牽引して増収となり、利益面は増収効果や棚卸資産増加効果などにより大幅増益だった。

 製品別の売上高は、超硬製工具類が0.1%減の10億30百万円、超硬製金型類が26.3%増の11億67百万円、その他超硬製品が4.4%増の11億09百万円、超硬以外の製品が15.7%減の8億17百万円だった。超硬製工具類は冷間フォーミングロール等が堅調だったが、前期好調だった熱間圧延ロールが低調だった。超硬製金型類は製缶金型や車載用電池向け金型が好調に推移した。その他超硬製品は超硬素材の販売が好調だった。超硬以外の製品は混練工具等の販売が低調だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比6.5%増の176億70百万円、営業利益が22.9%増の6億円、経常利益が16.1%増の7億円、親会社株主帰属当期純利益が8.0%増の4億60百万円としている。配当予想は前期と同額の40円(期末一括)としている。予想配当性向は173.0%となる。

 26年3月期は需要が回復に向かい増収増益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が23%、営業利益が29%、経常利益が23%、親会社株主帰属当期純利益が27%と順調であり、積極的な事業展開で収益回復基調だろう。

■株価は戻り歩調

 株価は順調に水準を切り上げて戻り歩調だ。高配当利回りや低PBRなども評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。8月12日の終値は800円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS23円12銭で算出)は約35倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約5.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1042円93銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約160億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■2025年のパン屋倒産が急減、SNS発信とインバウンドが追い風  帝国データバンクは11月29日…
  2. ■「働いて働いて──」が年間大賞!多様な社会現象を映すトップテン発表  自由国民社は12月1日、年…
  3. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る