イトーキは25年12月期も2桁増益で連続大幅増配予想、ワークプレイス事業の好調が牽引

 イトーキ<7972>(東証プライム)は2月13日に24年12月期連結業績を発表した。2桁増益と順調だった。ワークプレイス事業がオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。そして25年12月期も2桁増益で連続大幅増配予想としている。引き続きワークプレイス事業の好調が牽引する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏で上げ一服となってモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年12月期2桁増益、25年12月期も2桁増益で連続大幅増配予想

 24年12月期の連結業績は、売上高が23年12月期比4.1%増の1384億60百万円、営業利益が18.2%増の100億77百万円、経常利益が16.9%増の100億04百万円、親会社株主帰属当期純利益が21.6%増の71億83百万円だった。配当は23年12月期比13円増配の55円(期末一括)とした。配当性向は37.4%となる。

 増収・2桁増益と順調だった。設備機器・パブリック事業が期ズレや前期の反動で減収だったものの、ワークプレイス事業がオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。営業利益15億円増益の要因分析は、売上増加に伴う利益増加がワークプレイス事業の増収効果で21億円増、売上総利益率影響(設備機器・パブリック事業の減収影響がマイナス要因だが、ワークプレイス事業の単体ベースの売上総利益率は1.9ポイント上昇)で8億円増、販管費の増加(人的資本投資の一環としての賃上げ、専門人材の採用、シュールーム兼本社オフィスのリニューアル、DX推進のためのIT基盤強化など)で14億円減だった。

 ワークプレイス事業は、売上高が8.2%増の1022億61百万円で、営業利益が29.2%増の80億47百万円だった。ハイブリッドな新しい働き方にあわせたオフィスリニューアル・移転案件を中心に増収となり、提供価値向上による利益率改善も寄与した。

 設備機器・パブリック事業は、売上高が6.2%減の345億72百万円で、営業利益が2.6%減の18億57百万円だった。資材高等を背景とする物流施設向け設備案件の期ズレや、前期に好調だった公共施設向け案件(博物館・美術館の展示ケース等)反動で減収・減益だった。

 その他(IT・シェアリング事業に含まれていたオフィスシェアリング事業を当期よりワークプレイス事業へ移管)は、売上高が1.7%増の16億26百万円、営業利益が55.7%減の1億72百万円だった。した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が409億18百万円で営業利益が60億39百万円、第2四半期は売上高が315億92百万円で営業利益が8億27百万円、第3四半期は売上高が296億13百万円で営業利益が9億40百万円、第4四半期は売上高が363億37百万円で営業利益が22億71百万円だった。企業のオフィス移転などにより年度末にあたる第1四半期偏重の収益特性がある。

 25年12月期連結業績予想は売上高が24年12月期比4.7%増の1450億円、営業利益が14.1%増の115億円、経常利益が14.9%増の115億円、親会社株主帰属当期純利益が11.4%増の80億円としている。配当予想は24年12月期比10円増配の65円(期末一括)としている。連続大幅増配で、予想配当性向は40.0%となる。

 2桁増益で連続大幅増配予想としている。引き続きワークプレイス事業の好調が牽引する見込みだ。セグメント別の計画は、ワークプレイス事業の売上高が9.5%増の1120億円で営業利益が19.3%増の96億円、設備機器・パブリック事業の売上高が8.9%減の315億円で営業利益が3.1%減の18億円としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏で上げ一服となってモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月13日の終値は1624円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS162円59銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1001円13銭で算出)は約1.6倍、時価総額は約867億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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