ispaceと栗田工業が月面水処理技術で協力、2027年以降に実証試験へ

■月面での水資源確保・再利用に向けた技術開発を加速

 ispace(アイスペース)<9348>(東証グロース)は3月10日、栗田工業<6370>(東証プライム)と、将来の月面水処理実証試験装置の月面実証を目指し、ペイロード輸送サービスの提供に関する覚書を締結したと発表。この覚書は、2027年以降のispaceの月ミッションにおいて、月着陸船(ランダー)に搭載した水処理システムを月面に輸送し、実証試験を行うための協力体制に合意するものだ。栗田工業は2024年11月に民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーとして参画している。

 ispaceは”Expand Our Planet, Expand Our Future”というビジョンのもと、地球と月の間のシスルナ経済圏構築を推進している。この経済圏では宇宙ステーションや月面基地の建設、人類の長期滞在、資源採掘や製造活動が行われる中で、水資源の管理と再利用が極めて重要となる。栗田工業は長年培った水処理技術を活かし、現在進行中のミッション2に搭載されている高砂熱学工業の月面用水電解装置に超純水を提供している。

 ispaceは日・米・欧の3法人体制でグローバルに宇宙開発を進めており、2025年1月15日にミッション2の打ち上げを完了し、最速2025年6月6日に月面着陸に再挑戦する予定だ。続いて2026年には米国法人主導のミッション3、2027年には日本で開発中のシリーズ3ランダーを用いたミッション4を予定している。世界中の政府、企業、教育機関からの需要に応えるため、ミッション3以降もペイロードサービス契約とデータサービスを提供していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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