京写、26年3月期大幅増益で連続増配予想、国内販売価格の適正化推進と中国で生産性向上と高付加価値金属基板の拡販を推進

 京写<6837>(東証スタンダード)は5月20日に25年3月期連結業績を発表した。増収増益と順調だった。国内の需要が低調だったが、北米やASEANの需要が堅調に推移し、中国における生産性向上や付加価値の高い金属基板の好調も寄与した。そして26年3月期は大幅増益で連続増配予想とした。国内において販売価格の適正化を推進するほか、中国においては生産性向上や付加価値の高い金属基板の拡販を推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値を更新する場面があった。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期は増収増益と順調、26年3月期は大幅増益で連続増配予想

 25年3月期の連結業績は売上高が前期比6.7%増の262億29百万円、営業利益が18.2%増の12億77百万円、経常利益が8.9%増の9億92百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.6%増の6億14百万円だった。配当は前期比1円増配の11円(期末一括)とした。連続増配で配当性向は26.0%となる。

 増収増益と順調だった。国内は自動車向けプリント基板の受注回復が遅れたが、インドネシアは事務機分野の受注が回復し、ベトナムは北米向けの受動者分野の受注が堅調だった。利益面では中国における生産性向上や付加価値の高い金属基板の好調も寄与した。なお営業外収益では前期計上の補助金収入2億12百万円が剥落した。

 地域別のセグメント業績(内部取引含む)は、日本の売上高が3.6%減の101億55百万円で営業利益が2億18百万円の損失(前期は1億97百万円)、中国の売上高が9.8%増の143億59百万円で営業利益が68.9%増の11億79百万円、インドネシアの売上高が33.0%増の28億30百万円で営業利益が6百万円(同80百万円の損失)、メキシコの売上高が20.9%増の1億58百万円で営業利益が7百万円の損失(同3百万円)、ベトナムの売上高が11.8%増の42億97百万円で営業利益が3.9%増の2億79百万円だった。

 製品別売上高は片面板が19.0%増の104億43百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が2.8%減の108億70百万円、金属基板が10.7%増の14億80百万円、実装関連が3.3%増の26億44百万円、その他が9.3%増の7億90百万円だった。片面版は事務機向けが回復し、両面版は自動車向けが減少した。用途別売上高は自動車関連が1.5%増の114億81百万円、家電製品が7.6%増の48億76百万円、事務機関連が38.3%増の35億99百万円、電子部品が10.5%増の16億57百万円、電気機器が19.0%増の8億19百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメントなど)が17.2%減の11億53百万円、実装関連が3.3%増の26億44百万円だった。実装関連の用途別売上高構成比は産業機器が52.3%、航空機が13.6%、自動車が9.5%、通信機器が5.0%、電子部品が3.1%、その他が16.5%だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が62億46百万円で営業利益が3億59百万円、第2四半期は売上高が65億61百万円で営業利益が3億06百万円、第3四半期は売上高が68億06百万円で営業利益が3億49百万円、第4四半期は売上高が66億15百万円で営業利益が2億63百万円だった。

 26年3月期の連結業績予想は売上高が前期比2.9%増の270億円、営業利益が25.3%増の16億円、経常利益が20.9%増の12億円、親会社株主帰属当期純利益が30.2%増の8億円としている。配当予想については前期比3円増配の14円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は25.4%となる。

 国内において販売価格の適正化を推進するほか、中国においては生産性向上や付加価値の高い金属基板の拡販を推進する。なお米国関税政策の影響については、現時点では合理的に見積もることが困難なため織り込んでいない。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸して年初来高値を更新する場面があった。低PERや低PBRといった指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月21日の終値は389円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円16銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS676円53銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約57億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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