伊藤園が大学と共同研究:緑茶飲料で仕事の効率アップ!集中力と満足感が高まる新たな研究結果

【デスクワーク時の「ちびだら飲み」がもたらす効果を検証】

■カフェインだけじゃない、緑茶の新たな可能性が明らかに

 伊藤園<2593>(東証プライム)は8月7日、産業医科大学と公立千歳科学技術大学との共同研究により、精神作業時の緑茶飲料の飲用が、作業成績とフロー体験を速やかに高めることを確認したと発表した。同研究成果は学術雑誌「PLoS One」にも掲載され、緑茶の新たな機能性として注目されている。先行研究では緑茶の飲用が作業成績の向上や疲労感の軽減に寄与することが示されていたが、今回の研究では、作業の習熟による影響を排除した上で、緑茶が持つ即効性の効果を検証した。

■緑茶の「ちびだら飲み」が脳を活性化し作業成績を向上

 同研究は、健康な成人男性22名を対象に、精神作業前に飲料を摂取する実験として実施された。飲料未摂取、水摂取、そして市販の緑茶飲料を摂取した場合の3つの条件で、暗算作業と数値探索作業を行った。実験の結果、緑茶飲料を摂取したグループは、未摂取や水のみを摂取したグループと比較して、暗算作業における回答数が有意に増加し、平均反応時間が短縮された。この結果は、緑茶飲料が精神的な負荷のかかる作業において、脳の処理速度を速め、作業効率を高める効果を持つことを示唆している。緑茶飲料を少量ずつ、時間をかけて飲む「ちびだら飲み」というスタイルが、デスクワークなどの集中力を要する作業において、生産性向上に貢献する可能性が示された。

■作業への「没入感」を高めワークエンゲージメントを向上

 さらに、同研究では緑茶が作業の「フロー体験」を高めることも明らかになった。フロー体験とは、心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した概念で、没頭することで高い生産性や満足感を得られる心理状態を指す。数値探索作業では、緑茶飲料を摂取したグループは、未摂取や水のみを摂取したグループと比較して、フロー体験のスコアが有意に高かった。特に、フロー体験の下位尺度である「経験の強さ」を示す没入の程度において顕著な差が見られた。緑茶飲料を飲んだグループは、作業中の時間知覚が有意に低下し、作業に没頭していたと考えられる。また、作業後の眠気も、未摂取や水と比較して有意な上昇が見られず、覚醒度の維持が確認された。これらの結果は、緑茶飲料の飲用が、作業への没入感を高め、結果としてワークエンゲージメントの向上にも繋がる可能性を示唆する。

■香気成分が即効性をもたらす可能性

 緑茶が作業直後に効果を発揮したことから、同社は緑茶に含まれるカテキンなどの成分が吸収される前の段階での効果、つまり香気成分がもたらす影響にも着目している。同社は、緑茶の香気成分による影響を評価する追加試験も進めており、より詳細な研究成果の獲得を目指している。緑茶は米国では「クリエイティブサポートドリンク」として、IT企業など創造的な仕事に従事する人々に支持されており、今回の研究結果は、日本でも同様の需要が拡大する可能性を示している。伊藤園は今後も、健康創造企業として、緑茶の新たな機能性を探求し、人々の健康で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献していく姿勢だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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