【この一冊】ノーベル賞経済学者が描く公正で自由な社会『スティグリッツ 資本主義と自由』、注目の書評続々で3刷決定

■新聞・雑誌で高評価、経済と自由の本質を多角的に分析

 東洋経済新報社は8月8日、ノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・E・スティグリッツ氏による著書『スティグリッツ 資本主義と自由』(定価:3,080円・税込)の3刷決定を発表した。5月21日の刊行以来、「読売新聞」「日本経済新聞」など全国紙や雑誌で書評が相次ぎ、社会的関心が高まっている。同書は、自由の本質と公正な社会の実現を問う内容で、トランプ後の世界や新自由主義の欠陥を背景に、自由の意味を多角的に検証している。

 同書は、「ある人の自由はほかの人の不自由」という視点から、経済的自由と政治的自由の関係や、富裕層の権利と大多数の生活とのバランスを論じる。銃所持をめぐるアメリカ社会の問題や、格差拡大の構造を例に、個人の自由が他者の権利を侵害する場合の是非を問う。また、自由を守るために必要な公共財の確保や社会契約の在り方、競争経済と社会正義の両立など、幅広い経済・社会課題を取り上げている。

 著者は、現行の新自由主義的資本主義の限界を指摘し、進歩的資本主義や社会民主主義といった代替システムの可能性を提示する。単なる理論的提案ではなく、異なる自由を比較・考察するための枠組みを提供し、市民が自由と民主主義の未来を主体的に議論することを促す構成だ。今回の増刷は、経済・政治・社会の多方面で議論を呼び起こす書籍としての評価を裏付けるものである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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