京写、第1四半期は大幅減益も通期大幅増益予想維持、国内販売価格適正化と中国で高付加価値製品拡販を推進
- 2025/8/12 07:50
- 決算発表記事情報

京写<6837>(東証スタンダード)は8月8日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。大幅減益だった。国内の自動車生産回復遅れ、北米やASEAN向けの受注減少などで小幅減収となったほか、インドネシアにおいて増産に向けた設備増強のための稼働調整なども影響した。ただし通期の増収・大幅増益予想を据え置いた。国内において販売価格の適正化を推進するほか、中国においては生産性向上や付加価値の高い金属基板の拡販を推進する。第1四半期は大幅減益だったが、通期ベースでは積極的な事業展開により収益拡大基調を期待したい。株価は年初来高値圏だ。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、下値は限定的だろう。
■26年3月期1Q大幅減益だが通期大幅増益予想据え置き
26年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比2.1%減の61億18百万円、営業利益が48.9%減の1億83百万円、経常利益が42.4%減の1億37百万円、親会社株主帰属四半期純利益が21.6%減の1億10百万円だった。
大幅減益だった。国内の自動車生産回復遅れ、北米やASEAN向けの受注減少などで小幅減収となり、利益面は減収影響、原材料費高騰影響のほか、インドネシアにおいて増産に向けた設備増強のための稼働調整を行ったなども影響した。
地域別のセグメント業績(売上高はセグメント間内部取引を含む)は、日本の売上高が前年同期比1.1%減の25億60百万円で営業利益が71百万円の損失(前年同期は19百万円の損失)、中国の売上高が2.0%減の33億32百万円で営業利益が16.6%減の2億44百万円、インドネシアの売上高が1.7%減の6億22百万円で営業利益が56百万円の損失(同0百万円)、メキシコの売上高が0.3%増の37百万円で営業利益が4百万円(同3百万円の損失)だった。ベトナムは売上高が10.6%減の10億52百万円で営業利益が86.1%減の15百万円だった。
製品別売上高は片面板が1.6%増の24億26百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板を含む)が6.1%減の24億44百万円、金属基板が23.3%増の4億66百万円、実装関連が11.0%減の6億30百万円、その他が10.2%減の1億50百万円だった。両面版は自動車向けが減少した。また用途別売上高は自動車関連が4.2%減の26億61百万円、家電製品が10.9%増の12億44百万円、事務機関連が5.6%減の7億53百万円、電子部品が5.4%増の3億53百万円、電気機器が10.2%増の2億05百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメントなど)が15.0%減の2億72百万円、実装関連が11.0%減の6億30百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比2.9%増の270億円、営業利益が25.3%増の16億円、経常利益が20.9%増の12億円、親会社株主帰属当期純利益が30.2%増の8億円としている。配当予想については前期比3円増配の14円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は25.4%となる。
国内において販売価格の適正化を推進するほか、中国においては生産性向上や付加価値の高い金属基板の拡販を推進する。なお米国関税政策の影響については、現時点では合理的に見積もることが困難なため織り込んでいない。第1四半期は大幅減益だったが、通期ベースでは積極的な事業展開により収益拡大基調を期待したい。
■株価は下値限定的
株価は徐々に水準を切り上げて年初来高値圏だ。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、下値は限定的だろう。8月8日の終値は411円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS55円16銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS676円53銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約60億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)