Microsoft、米ウィスコンシンに世界最強AIデータセンター建設へ、総投資額70億ドル超

■2026年初頭に稼働予定、地域雇用や教育機会も創出

 Microsoft(NASDAQ:MSFT)は9月18日、米ウィスコンシン州マウントプレザントにおいて、世界で最も強力とされるAIデータセンター「フェアウォーター」の建設が最終段階に入ったと発表した。同施設は2026年初頭の稼働を予定し、当初の投資額は33億ドルに達する。さらに同社は今後3年間で追加40億ドルを投じ、第2のデータセンターを建設する計画を示した。これにより総投資額は70億ドルを超える見込みであり、米国中西部における産業基盤の強化と地域経済への波及効果が期待される。

■数十万台のNVIDIA製GPUを搭載

 同センターには数十万台のNVIDIA(NASDAQ:NVDA)製GPUが搭載され、スーパーコンピューターの10倍に及ぶ性能を発揮する。膨大な光ファイバー網で接続されたシステムは、最先端のAIモデルを高速に訓練し、医学や科学など幅広い分野の研究に新たな可能性を開く。持続可能性を重視し、閉ループ液冷システムや外気冷却を導入することで水使用量を抑制し、消費電力も再生可能エネルギーで相殺する仕組みを構築した。加えて、ラシーン郡やケノーシャ郡の自然環境回復プロジェクトにも参画し、地域社会との共生を打ち出している。

 雇用・教育面でも波及効果は大きい。建設期には3000人超の作業員を動員し、稼働後は500人規模の常勤雇用が生まれる。第2センター完成後には約800人に拡大する見通しである。またゲートウェイ・テクニカル・カレッジと連携してデータセンターアカデミーを設立し、学生への専門教育を強化。ウィスコンシン大学や地域企業と共にAI共同ラボを立ち上げ、製造業の高度化を推進している。さらに9300人以上の農村住民にブロードバンドを拡張し、地域の生活環境改善にも貢献している。同社は今回の拠点を単なるAIインフラではなく、地域社会と地球環境を含めた未来投資の象徴と位置づけている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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