
■老化メカニズムを解明、ナイアシンアミドの抗老化効果を国際学会で発表
小林製薬<4967>(東証プライム)は9月19日、ナイアシンアミドが老化細胞内に蓄積する異常なコラーゲン凝集体を除去する新たな作用を発見したと発表した。同社は老化細胞において正常な構造を取れないコラーゲンが「凝集体」として蓄積する現象を世界で初めて明らかにし、老化によるコラーゲン減少の新たなメカニズムを提示した。この成果は化粧品分野で最も権威ある学会とされる「第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)カンヌ大会」で発表された。
研究では、老化細胞でコラーゲン品質管理に重要な分子「HSP47」の発現低下や、不要なたんぱく質を分解するオートファジー機能の低下が確認された。これにより新しく作られたコラーゲンが正常に構造化されず、細胞内に蓄積することが判明した。同社は線維芽細胞を用いた実験で、ナイアシンアミドがオートファジーを活性化させることで凝集体の分解を促進し、異常なコラーゲンの減少につながることを確認した。
この知見により、ナイアシンアミドは従来知られていたコラーゲン産生促進作用に加え、異常コラーゲンの除去を通じて肌の老化に多角的に働きかける可能性が示された。老化細胞に直接作用する新たなアンチエイジング戦略として、今後のスキンケア製品開発に大きな意義を持つと期待される。同社はシワやたるみなど加齢に伴う肌トラブルの本質的理解を深め、応用研究を進めていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)