シンバイオ製薬、英国でブリンシドホビルの第Ⅲ相試験申請完了、造血幹細胞移植後ウイルス感染症で

■EU主要国で承認取得済み、英国での治験開始へ準備完了

 シンバイオ製薬<4582>(東証グロース)は10月7日8時45分、英国で造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を対象とした注射剤ブリンシドホビル(IV BCV)のグローバル第Ⅲ相臨床試験開始に向け、英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)への治験申請を完了したと発表した。既に欧州医薬品庁(EMA)によりEU主要3か国(ドイツ、イタリア、フランス)での試験開始承認を取得しており、欧州地域で臨床試験を進行中である。今回の治験申請はグローバル開発の加速を意味し、同件が2025年12月期業績に与える影響はないとしている。

 同社は2019年9月にブリンシドホビルのグローバルライセンスを取得し、造血幹細胞移植後のウイルス感染症、血液・固形がん、脳神経変性疾患の3領域を重点とした研究開発戦略を展開している。第1の柱となる移植後ウイルス感染症領域では、国際共同第Ⅲ相試験を2028年下半期の承認申請に向けて進行中。第2の柱である血液がん領域では、NK/T細胞リンパ腫を対象に第Ⅰb/Ⅱ相試験を実施しており、2028年中の承認申請を目指している。また、固形がん領域では脳腫瘍や頭頸部がんを中心に試験開始準備を進めている。

 さらに、第3の柱として脳神経変性疾患領域にも注力し、多発性硬化症(MS)および進行性多巣性白質脳症(PML)を対象とした臨床試験を予定している。同社はこれら3本柱のグローバル開発を通じ、ブリンシドホビルの事業価値最大化と国際競争力の強化を図る方針を掲げている。なお、厚生労働省の決定により、一般名称を「ブリンシドフォビル」から「ブリンシドホビル」に改めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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