伊藤園、北海道伊藤園と土倉を経営統合、地域密着経営を強化

■2026年5月に新会社発足、道内10拠点で地域貢献を加速

 伊藤園<2593>(東証プライム)は11月7日、北海道地域における事業体制を再編し、グループ会社である北海道伊藤園と土倉を経営統合すると発表した。統合後は新たに「北海道伊藤園」として2026年5月に事業運営を開始する。これは中期経営計画(2025年4月期~2029年4月期)に掲げる「経営基盤の強化」「国内既存事業の盤石化」を具現化するもので、北海道市場における販売力強化と地域密着型経営の深化を狙う。両社の経営資源を集約することで、営業体制の最適化や生産性の向上、さらには地域社会への貢献を目指す方針を示した。

 北海道は豊かな自然環境や食文化を有する一方、人口減少や物流コストなど地域特有の課題も抱える。伊藤園は同地を「潜在力に富む重要市場」と位置づけ、地域に根ざしたブランド戦略を推進してきた。2024年5月に設立された北海道伊藤園は、茶葉・飲料などの販売を担う新会社として地域密着型の営業展開を開始。一方、1958年創業の土倉は長年にわたり茶葉製品の製造・販売を手がけ、北海道内で高い認知を得てきた。両社は事業領域の親和性が高く、経営統合によるシナジー効果が見込まれている。

 統合後は、北海道伊藤園が存続会社として吸収合併方式を採用し、本社を札幌市白石区に置く。資本金は80百万円で、10営業支店体制を維持する。新会社は、茶葉製品の製造・販売と飲料・食料品の販売を一体運営し、地域の消費者や取引先との関係を強化する方針だ。伊藤園グループとしては、地域密着型経営の深化によりブランド価値を高め、北海道の豊かな文化・資源を生かした新たな価値創出を目指す。今回の統合は、同社が掲げる「持続可能な社会の実現」に向けた地域戦略の中核をなす取り組みといえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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