魁力屋、MPキッチンHDを50億円で子会社化へ、「三田製麺所」取得し多ブランド戦略強

■ラーメン市場の成長余地を追い風にブランド拡大、サプライチェーン統合でシナジー創出へ

 魁力屋(かいりきや)<5891>(東証スタンダード)は11月14日、エムピーキッチンホールディングス(MPキッチンHD)の全株式を取得し子会社化するため、株式譲渡契約を締結したと発表した。ラーメン市場は外食産業の中でも寡占化が進んでおらず、成長余地の大きい分野と位置付けられている。魁力屋は中長期戦略として「加速度的な店舗展開」「収益構造の変革」「食の総合企業への飛躍」を掲げ、その中核にマルチブランドによる持続的成長モデルを据えている。今回の買収はその戦略に沿うもので、「三田製麺所」を展開するエムピーキッチンのブランド力や収益基盤、サプライチェーン連携におけるシナジー創出が期待されるとしている。

 取得対象となるMPキッチンHDは東京都渋谷区に拠点を置き、グループ管理を行う。子会社のエムピーキッチンは直営70店舗を有し、つけ麺を主力とする「三田製麺所」を展開する飲食企業である。近年は売上高が増加する一方、営業損益は赤字が続いており収益改善が課題となっている。魁力屋は同社のブランド規模や顧客支持に加え、運営ノウハウやサプライチェーン統合による効率化効果を評価した。株式取得数は普通株式610万株とA種優先株式100万株で、取得価額は50億円。取得後は全株式を保有し、完全子会社化する。株式譲渡実行日は2026年1月7日を予定している。

 資金調達については、株式取得に必要な50億円を金融機関からの借入で賄う計画で、複数行と条件協議を進めている段階にある。金利や担保設定などの詳細は調整中で、正式契約は譲渡実行日までに締結する見込みである。MPキッチンHDは2026年12月期第1四半期から連結対象となる予定で、現在は業績見通しを精査している。魁力屋は今後、マルチブランド展開を加速し、各ブランドの特性を生かした戦略によりグループ全体の企業価値向上を図る方針を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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