京写、スクリーン印刷技術とグローバル生産体制で再成長へ、一過性要因一巡で27年3月期に収益回復期待

 京写<6837>(東証スタンダード)はプリント配線板の大手メーカーである。成長に向けて6つの重点戦略(グローバル生産・販売戦略、企業間連携戦略、効率化戦略、技術戦略、財務戦略、人財戦略)を推進し、独自のスクリーン印刷技術を活用したグローバルニッチトップメーカーを目指している。26年3月期は減益予想としている。自動車関連の需要回復遅れに加え、国内における金属基板の量産立ち上げ費用の増加、インドネシアにおける増産に向けた設備増強に伴う稼働調整など、一過性要因も影響する見込みだ。ただし27年3月期は需要が回復に向かうほか、一過性要因の影響が一巡する。積極的な事業展開で27年3月期は収益回復基調だろう。株価は下値固め完了感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■プリント配線板の大手メーカー

 プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。販売先は自動車関連、家電関連、事務機関連など、幅広い顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得している。

 プリント配線板は独自のスクリーン印刷技術をベースとして、防塵対策基板、熱伝導放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持っている。そして高温工程で繰り返し使用可能なノンシリコーンタイプ粘着キャリア、電子部品の急速な小型化に対応した業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面配線板、伸縮性のある材料にスクリーン印刷で直接回路を形成するストレッチャブル基板(プリンタブル基板)などの受注拡大が期待されている。

 プリント配線板の生産は国内、および中国、インドネシア、ベトナムに展開し、片面プリント配線板は世界最大の生産量を誇っている。メキシコ子会社では実装搬送治具を製造している。24年12月にはインド駐在員事務所を開設(25年5月予定)すると発表した。将来インド市場でのプリント配線板の事業拡大を目指す。

 ベトナム子会社は両面配線板のグローバル生産拠点として21年1月に販売開始、23年8月に第2生産ラインが稼働開始して生産能力が2倍に拡大した。自動車関連向けを主力としている。なおベトナム子会社には自動車関連電子部品実装のエヌビーシー(岐阜県大垣市、05年から資本業務提携して協力関係)が出資している。24年3月には同社を割当先とする増資を行い、増資後の出資比率は同社94.12%、エヌビーシー5.88%となった。

 21年5月にはメイコー<6787>と資本業務提携した。ともにプリント配線板事業を主力としているが、得意とする製品が異なるため棲み分けができている。中国やベトナムで事業拡大を進めるなど共通点が多く、グローバルに協業することで相互補完が可能な状況にあるとしている。経営資源の相互活用などでシナジー創出を図る方針だ。

 25年4月には、タイのFirst Quality(中国の四会富仕電子科技股分有限公司のタイにおける製造子会社、多層プリント配線板製造)と戦略的業務提携した。それぞれが得意とするプリント配線板分野で生産・販売の相互協力を行う。

■自動車関連が主力

 25年3月期のセグメント別業績(セグメント間取引消去前)は、日本の売上高が101億55百万円で営業利益が▲2億18百万円、中国の売上高が143億59百万円で営業利益が11億79百万円、インドネシアの売上高が28億30百万円で営業利益が6百万円、メキシコの売上高が1億58百万円で営業利益が▲7百万円、ベトナムの売上高が42億97百万円で営業利益が2億79百万円、売上高の消去が▲55億71百万円、営業利益の消去が37百万円だった。

 製品別売上高は両面基板(多層板、銀スルーホール基板含む)が108億70百万円、片面基板が104億43百万円、金属基板が14億80百万円、実装関連が26億44百万円、その他が7億90百万円だった。

 用途別の売上高は、自動車関連(ライト、電装品、カーオーディオ等)が114億81百万円、家電製品(LED照明、エアコン、炊飯器、冷蔵庫等)が48億76百万円、事務機(複写機、プリンター等)が35億99百万円、電子部品関連(電源、モーター、センサー等)が16億57百万円、電気機器(スマートメーター、計測機器、電動工具等)が8億19百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が11億53百万円、実装関連(実装、治具等)が26億44百万円だった。自動車関連が主力である。実装関連の用途別構成比は産業機器が52.3%%、航空機が13.6%、自動車が9.5%、通信機器が5.0%、電子部品が3.1%、その他が16.5%だった。

■独自の印刷技術を活用してグローバルニッチトップメーカー目指す

 中期経営計画の目標値には26年3月期売上高270億円、営業利益16億円、営業利益率5.9%、ROE8%を掲げている。6つの重点戦略(グローバル生産・販売戦略、企業間連携戦略、効率化戦略、技術戦略、財務戦略、人財戦略)を推進し、独自のスクリーン印刷技術を活用してグローバルニッチトップメーカーを目指すとしている。

 グローバル生産・販売戦略では最適な供給網の再構築、車載・再生エネルギー分野向け両面・金属基板事業の拡大、片面シェア拡大による業界最大の利益確保、基板・実装・治具の販売シナジー最大化など、企業間連携戦略では顧客・仕入先との連携、同業他社との相互補完関係構築など、効率化戦略では自働化・IT化による生産効率向上、DX活用による業務効率化、トヨタ生産方式の水平展開など、技術戦略では市場ニーズに基づく開発資源の集中、超厚銅基板の技術確立、付加価値のある印刷技術の追求、生産技術を活用した新用途・新工法の開発など、財務戦略では持続的成長に向けた集中と選択による投資、自己資本の強化、持続的・積極的な株主還元など、人財戦略では社員満足度の向上、多様な人材能力の発揮、マネジメント人材の育成、信頼と安全の体制づくりなどを推進している。

■26年3月期減益予想だが27年3月期収益回復基調

 26年3月期連結業績予想(25年11月14日付で下方修正)は売上高が前期比8.5%減の240億円、営業利益が45.2%減の7億円、経常利益が53.6%減の4億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が64.2%減の2億20百万円としている。配当予想(25年11月14日付で期末9円下方修正)は前期比6円減配の5円(期末一括)としている。予想配当性向は33.1%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比5.5%減の185億26百万円、営業利益が45.2%減の5億56百万円、経常利益が56.9%減の3億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が67.6%減の1億77百万円だった。

 減収減益だった。主力の自動車関連の需要が国内外で低迷したほか、国内における金属基板の量産立ち上げに係る費用の増加、インドネシアにおける設備増強に伴う稼働調整なども影響した。

 地域別のセグメント業績(売上高はセグメント間内部取引を含む)は、日本の売上高が前年同期比3.6%増の79億90百万円で営業利益が41百万円の損失(前年同期は1億38百万円の損失)、中国の売上高が11.7%減の95億59百万円で営業利益が31.1%減の6億20百万円、インドネシアの売上高が0.1%減の20億72百万円で営業利益が1億56百万円の損失(同2百万円)、メキシコの売上高が12.7%減の1億09百万円で営業利益が3百万円(同10百万円の損失)、ベトナムの売上高が10.9%減の29億20百万円で営業利益が65.9%減の82百万円だった。

 日本は自動車関連が低調だったが、家電製品やアミューズメント分野の好調で増収となり、販売価格適正化やコスト改善などにより営業損失が縮小した。海外は自動車向け金属基板が増加したが、全体として受注が減少した。

 製品別の売上高は片面板が前年同期比2.4%減の76億17百万円、両面板(多層板と銀スルーホール基板を含む)が11.8%減の72億29百万円、アルミ基板が19.0%増の12億74百万円、実装関連が2.2%減の19億80百万円、その他が17.6%減の4億25百万円だった。また用途別の売上高は、自動車関連が11.5%減の76億61百万円、家電製品が8.3%増の39億13百万円、事務機関連が13.1%減の23億16百万円、電子部品が12.1%減の10億80百万円、電気機器が13.2%減の5億27百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメントなど)が27.5%増の10億49百万円、実装関連が2.2%減の19億80百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が61億18百万円で営業利益が1億83百万円、第2四半期は売上高が62億33百万円で営業利益が1億55百万円、第3四半期は売上高が61億75百万円で営業利益が2億18百万円だった。

 通期は前回予想を据え置いて減収減益予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が77%、営業利益が79%、経常利益が75%、親会社株主帰属当期純利益が80%である。26年3月期は、販売価格適正化やコスト改善に継続的に取り組むが、自動車関連の需要回復遅れに加え、国内における金属基板の量産立ち上げ費用の増加、インドネシアにおける増産に向けた設備増強に伴う稼働調整など一過性要因も影響する見込みだ。ただし27年3月期は需要が回復に向かうほか、一過性要因の影響が一巡する。積極的な事業展開で27年3月期は収益回復基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は下値固め完了感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。2月24日の終値は298円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円12銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の5円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS676円53銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約44億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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