ヒーハイスト、チューリッヒ工科大学「オービットロボティクス」パートナーに指定、直動機器の新市場拡大へ

 ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。工作機械や半導体製造装置等に使用される直動機器を主力として、精密部品加工やユニット製品も展開している。25年10月には日本のヒューマノイドロボット(人型ロボット)産業の再興を目指すKyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)に参画し、26年1月にはチューリッヒ工科大学のフォーカスプロジェクト「オービットロボティクス」チームのパートナー(最適な関節ジョイント提供)に指定された。26年3月期は赤字予想だが、中長期的には半導体製造装置やヒューマノイドロボット向けに直動機器の需要拡大が予想される。積極的な事業展開で27年3月期以降の収益拡大基調を期待したい。株価はヒューマノイドロボット関連を材料視して乱高下する形だが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■小径リニアボールブッシュの世界トップメーカー

 小径リニアボールブッシュの世界トップメーカーである。リニアボールブッシュは機械装置の稼働部に用いられる部品で、金属と金属の接触面を鋼球が転がりながら移動することで摩擦による影響を低減し、機械装置の寿命を延ばす役割を担っている。独自の球面加工技術や鏡面加工技術をコア技術として、工作機械や半導体製造装置等に使用されるリニアボールブッシュや球面軸受けなどの直動機器、レース用部品や試作部品の受託加工などの精密部品加工、液晶製造装置向けなどのユニット製品を展開している。成長戦略としては自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。

 25年3月期の部門別売上高は直動機器が13億65百万円、精密部品加工が6億80百万円、ユニット製品が1億98百万円、主要販売先別売上高はTHK<6481>が11億73百万円、本田技研工業<7267>が6億16百万円、その他が4億56百万円だった。収益面では産業機械・電子部品・自動車関連の設備投資動向の影響を受けやすく、設備投資関連のため四半期業績が変動しやすい特性もある。

■生産能力向上と採算性向上を推進

 経営ビジョンには「リニアブッシュ・アジアNO.1」を掲げ、自動化関連の需要増加に対応するため、直動機器の「スマート生産プロジェクト」の一環とする設備投資や開発投資を推進している。

 中期経営計画(毎期ローリング方式、24年3月期~27年3月期)では、27年3月期の計画値として売上高28億63百万円、売上総利益6億27百万円、売上総利益率21.9%、営業利益1億39百万円、営業利益率4.9%を掲げている。株主還元については27年3月期までに配当性向20~30%に強化する方針としている。また25年3月末より株主優待制度を新設した。

 事業戦略としては、設備投資・生産数量の確保による安定生産、人的資本投資等への成長を継続する。また製品群の見直し(スクラップ&ビルド)として低採算製品からの撤退を検討し、リソースを高収益製品に集中することで採算性向上を推進する。なお25年3月にはマレーシア市場の開拓、ステージのメカニカルおよび電気制御の技術的な相互補完を目的として、マレーシアのMIRAI社とパートナーシップ契約を締結した。

 24年4月には人的資本経営の一環および株式市場での流動性向上を図ることを目的として、社員持株会の奨励金付与率を現行の5%から50%に引き上げた。24年6月にはヒーハイストCSR活動方針を策定した。24年8月には埼玉県の多様な働き方実践企業におけるプラチナランクの認証を受けた。24年11月には埼玉県SDGsパートナーとして登録された。25年1月には秋田県SDGsパートナーとして登録された。25年8月には埼玉県の健康経営実践事業所として認定された。25年9月には健康保険組合と協力して健康企業宣言を行った。

 25年8月には、下請法の改正法として26年1月から施行される中小受託取引適正化法に関して、関係キーマン数十名がセミナーを受講し、対応を確認した。26年1月には同社秋田工場が、令和6年度において厚生労働統計調査の指定事業所として他の模範となる正確かつ迅速な報告に努めたことが認められ、厚生労働統計功労者功績表彰された。

 なお2月24日には、生成AI活用法の社内研修(本社・埼玉工場、秋田工場)の実施、および新ビジョン策定に向けた中堅社員と経営陣とのワークショップ開催をリリースした。

■ヒューマノイドロボット関連

 25年10月には、早稲田大学、テムザック、村田製作所、SREホールディングスが、日本のヒューマノイドロボット産業の再興を目指す新団体として設立した一般社団法人KyoHA(京都ヒューマノイドアソシエーション)に参画した。

 26年1月には、コンピュータサイエンスなどの分野において世界的な権威であるチューリッヒ工科大学のフォーカスプロジェクト(有能なヒューマノイドロボットを生み出す重点プロジェクト)「オービットロボティクス」チームのパートナー(最適な関節ジョイント提供)に指定された。

■26年3月期赤字予想だが27年3月期収益回復期待

 26年3月期連結業績予想(25年11月12日付で下方修正)は、売上高が前期比28.6%減の16億03百万円、営業利益が2億16百万円の損失(前期は1億21百万円の損失)、経常利益が2億95百万円の損失(同1億89百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が3億40百万円の損失(同2億03百万円の損失)としている。配当予想は無配としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比28.7%減の12億29百万円、営業利益が1億98百万円の損失(前年同期は50百万円の損失)、経常利益が2億48百万円の損失(同56百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が2億92百万円の損失(同49百万円の損失)だった。

 減収・赤字だった。主力の直動機器の需要回復遅れなどが影響した。部門別売上高は、直動機器が産業用機械関連の需要回復遅れや中国市場の受注停滞継続の影響により24.8%減の7億94百万円、精密部品加工がレース用部品のレギュレーション変更の影響により50.6%減の2億56百万円、ユニット製品が中国市場における電子部品生産設備案件に係るステージ製品の増加により19.0%増の1億78百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億64百万円で営業利益が49百万円の損失、第2四半期は売上高が3億82百万円で営業利益が93百万円の損失、第3四半期は売上高が3億83百万円で営業利益が56百万円の損失だった。

 通期連結業績予想は前回予想を据え置いて減収・赤字予想としている。産業用機械関連の需要回復には時間を要する見込みだ。ただし中長期的には半導体製造装置やヒューマノイドロボット向けに直動機器の需要拡大が予想される。積極的な事業展開で27年3月期以降の収益拡大基調を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末対象、25年3月末より実施

 株主優待制度については25年3月末より実施したが、25年11月12日に内容変更(詳細は会社HPを参照)を発表した。26年3月末については1000株以上保有株を対象にデジタルギフト5000円分、27年3月末以降は毎年3月末日時点で1000株以上を1年以上保有している株主を対象にデジタルギフト5000円分を贈呈する。

■株価は上値試す

 株価はヒューマノイドロボット関連を材料視して乱高下する形だが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月24日の終値は1720円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS451円86銭で算出)は約3.8倍、そして時価総額は約109億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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