マーケットエンタープライズ、「おいくら」自治体連携300件超・Starlink参入で再成長へ、モバイル回線も回復傾向

 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム、26年2月27日付で東証スタンダードへ市場変更予定)は「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、ネット型リユース事業およびモバイル通信事業を展開している。なお26年2月20日付で東証スタンダード市場への市場区分変更が承認された。26年6月期は減益予想(26年2月13日付で下方修正)としている。ネット型リユース事業は順調だが、モバイル通信事業の新規回線獲得の苦戦が影響する見込みだ。ただしモバイル通信事業の新規回線獲得数は第2四半期から回復傾向のもようであり、積極的な事業展開で27年6月期の収益回復を期待したい。株価は下方修正を嫌気する形で急落したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■持続可能な社会を実現する最適化商社

 「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、ITとリアルを融合させたリユース事業を中心に事業領域拡大戦略を推進している。セグメント区分は26年6月期よりネット型リユース事業、モバイル通信事業、その他の3セグメントとした。ネット型リユース事業(個人向けリユース分野、おいくら分野)では、従来の個人向けリユース分野とマシナリー(中古農機具)分野を統合し、共通する顧客基盤およびマーケテイング手法を活用して効率的かつ収益性の高い事業運営体制を構築する。また従来のメディア事業については、既存各事業・各分野とのシナジー強化を目的として各セグメントに再編した。

 参考値として、25年6月期のセグメント別売上高はネット型リユース事業(個人向けリユース分野、マシナリー分野、おいくら分野)が124億61百万円、メディア事業が5億66百万円、モバイル通信事業が118億49百万円、調整額が▲1億05百万円、営業利益はネット型リユース事業が9億40百万円、メディア事業が2億84百万円、モバイル通信事業が5億52百万円、調整額が▲11億51百万円だった。

■ネット型リユース事業は「高く売れるドットコム」と「おいくら」

 ネット型リユース事業は、買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、個人向けリユース分野、および日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)分野を展開している。

 個人向けリユース分野は販売店舗を保有せずに、インターネットに特化して買取・販売サービスを展開していることが特長だ。買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、商材別に分類された30カテゴリーに及ぶ幅広い対応で自社WEB買取サイトを運営し、コンタクトセンターにおける事前査定、リユースセンターにおける買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。また「高く売れるドットコム」と日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)のシステム連携・送客も強化している。

 25年3月にはLINEヤフー主催の「Yahoo!オークション Best Store Awards2024」において、同社が運営する総合リユースECストア「ReReオークションストア」が、4つの部門で部門賞を受賞するとともに、総合賞第1位(19年以来5年ぶり4度目)に選出された。25年9月には三井不動産レジデンシャルと業務提携した。三井不動産レジデンシャルが供給する分譲マンションの入居者を対象に出張買取サービスを提供する。また25年9月にはAzoopと業務提携し、トラック買取の専門性を強化した。

 地域社会における課題解決を目的として地方自治体との取り組みを推進しており、リユースプラットフォーム「おいくら」を導入した地方自治体の不用品リユース事業は、25年7月に埼玉県八潮市、福岡県直方市、三重県紀北町、山梨県都留市、埼玉県松伏町、25年8月に長崎県松浦市、東京都中央区、福岡県糸島市、高知県南国市、茨城県坂東市、25年9月に鳥取県鳥取市、大阪府島本町、埼玉県小川町、愛知県安城市、宮城県大和町、25年10月に兵庫県高砂市、兵庫県明石市、埼玉県川越市、福岡県豊前市、福岡県宇美町、愛知県幸田町、25年11月に愛知県知立市、大阪府泉佐野市、埼玉県春日部市、福島県須賀川市、25年12月に秋田県由利本荘市、京都府宮津市、兵庫県稲美町、大阪府河内長野市、三重県伊勢市、新潟県三条市、26年1月に奈良県上牧町、茨城県東海村、北海道石狩市、香川県観音寺市、埼玉県川島町、26年2月に茨城県水戸市、山形県鶴岡市で導入され、合計導入自治体数は全国で301となった。

 また24年10月には静岡県に位置する磐田市、袋井市らと6者間連携のリユース事業協定を締結した。24年12月には成田国際空港と空港内で発生する不用品のリユースに関して業務提携した。25年2月には福島県に位置する二本松市、本宮市、大玉村、安達地方行政組合とリユース事業協定を締結した。25年9月には埼玉県蓮田市と白岡町を構成団体とする蓮田白岡衛生組合とリユース事業協定を締結した。

 25年3月には、東大松尾研発スタートアップのWanderlustとの事業提携およびAIを活用した営業アシスタントの共同開発を発表した。これにより「高く売れるドットコム」の買取成約率向上、および営業スキル向上によるサービス品質向上と売上拡大を目指す。25年7月には埼玉県坂戸市と、リユースを活用した空き家対策実証実験を行う(25年9月~12月)とリリースした。

 なお中古農機具については、子会社MEトレーディングが中古農機具の買取代行、国内および海外販売・輸出代行を展開している。

■モバイル通信事業は「カシモ」

 モバイル通信事業は、子会社のMEモバイルがMVNO事業者として、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開している。主力は「カシモ」ブランドのモバイルデータ通信サービスである。25年10月には「カシモWiMAX」の端末交換サービス(24年8月開始)の累計利用数が500件を突破した。

 26年2月にはKDDIと連携し、米国SpaceX社が提供する衛星通信インターネットサービス「Starlink Business」の取り扱いを開始した。

■25年6月期は減益予想、27年6月期収益回復期待

 26年6月期の連結業績予想(26年2月13日付で下方修正)は、売上高が前期比8.6%増の269億円、営業利益が71.2%減の1億80百万円、経常利益が81.0%減の1億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が97.9%減の10百万円としている。

 前回予想(25年8月14日付の期初公表値、売上高300億円、営業利益11億円、経常利益10億50百万円、親会社株主帰属当期純利益6億50百万円)に対して売上高を31億円、営業利益を9億20百万円、経常利益を9億20百万円、親会社株主帰属当期純利益を6億40百万円それぞれ下方修正し、従来の増益予想から一転して減益予想とした。ネット型リユース事業は順調だが、モバイル通信事業の新規広告施策の非効率解消に時間を要した影響が長期化し、中間期の新規回線契約獲得が苦戦したため、これに連動してショット型収入が想定を下回る見込みだ。

 中間期の連結業績は売上高が前年同期比13.0%増の129億66百万円、営業利益が92百万円の損失(前年同期は2億49百万円)、経常利益が1億25百万円の損失(同3億13百万円)、親会社株主帰属中間純利益が2億15百万円の損失(同1億53百万円)だった。

 売上高と売上総利益は中間期として過去最高だったが、モバイル通信事業において第1四半期に発生した広告宣伝効率低下の影響が長期化したほか、株主優待費用の発生なども影響して営業赤字だった。なお当期よりメディア事業を再編してセグメント区分を変更し、ネット型リユース事業の個人向けリユースとマシナリーを統合して個人向けリユースとしたほか、従来のメディア事業を個人向けリユース、おいくら、モバイル、その他に振り分けた。ネット型リユース事業とモバイル通信事業の主力2事業のさらなる成長を推進する。

 営業利益の前年同期比3億41百万円減益の要因分析は、前期の本社移転関連一時費用の解消で68百万円増加、増収要因で5億18百万円増加、粗利益率低下で4億72百万円減少、売上増に伴う販管費の増加で4億77百万円減少、生産性向上による販管費比率の改善で22百万円増加だった。

 ネット型リユース事業は、売上高が8.7%増の65億58百万円、営業利益(全社費用等調整前)が8.5%増の5億18百万円だった。増収増益だった。個人向けリユース分野は個人向け商材の在庫回転率向上、中古自動車のオペレーション改善、中古農機具商品仕入基準見直し効果などにより増益だった。おいくら分野は自治体との連携強化などにより加盟店数および売上高が堅調に推移した。

 モバイル通信事業は、売上高が18.7%増の63億52百万円、営業利益が1億86百万円の損失(前年同期は4億12百万円)だった。売上面は契約回線数の積み上げにより増収だが、利益面は新規広告施策の非効率解消に時間を要した影響などにより粗利率が悪化した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が63億34百万円で営業利益が80百万円の損失、第2四半期は売上高が66億32百万円で営業利益が12百万円の損失だった。

 26年6月期は下方修正して減益予想となったが、主たる要因となったモバイル通信事業の新規回線獲得数は第2四半期から回復傾向のもようであり、積極的な事業展開で27年6月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は年2回(6月末、12月末)実施

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)については25年8月14日付で変更(保有期間の見直し)を発表した。25年12末日対象および26年6月末日対象については、500株以上保有株主に対して2万5000円分のデジタルギフトを贈呈する。26年12月末からは、基準日を毎年12月末日および6月末日として、500株以上を1年以上継続保有する株主を対象に2万5000円分のデジタルギフトを贈呈する。なお25年12月16日付で株主優待品の内容変更(デジタルギフトの交換先からJALマイレージバンクを除外)を発表した。

■株価は売り一巡

 株価は下方修正を嫌気する形で急落したが、売り一巡して出直りを期待したい。2月24日の終値は945円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円87銭で算出)は約505倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS254円29銭で算出)は約3.7倍、そして時価総額は約51億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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