【どう見るこの株】ユニクロことファーストリテイリングの行方

ユニクロ

■高値から4.9合目まで下山、中期展望微妙だが、日銀の緩和含みで短期有望

 ユニクロのファーストリテイリング<9983>(東1・100株)が安値圏で推移している。去る、17日に昨年来安値3万0720円をつけたあとほとんど戻すことなく弱い展開で24日は3万1170円まで下げ昨年来安値に450円と接近している。仮に、3万円台を割り込めば2013年6月以来、ほぼ3年ぶりとなるだけに今後の動きが注目される。

 言うまでもなく同社株は日経平均寄与度NO1の銘柄。アベノミクス始動時点の1万8700円前後から2015年7月の6万1970円まで3.3倍に上昇、この間の日経平均の2.2倍を大きく上回った。そして、現在は高値に対し約4.9合目まで下山、同じ比較で日経平均の7.1合目を大きく上回る下げとなっている。

 背景には、紹介の通り3.3倍上昇に対する調整が考えられるほか、暖冬の影響、利上げ後の米国消費景気の行方などがあるものとみられる。今8月期・第1四半期(9~11月)は前年同期比で営業利益が16.9%減益だった。前期の第1四半期は39.9%の大幅増益だったから落ち込みの大きさが目を引く。今8月期通期では9.4%の営業増益、EPS1079円の見通しだが、株価の弱い動きからみると通期予想に対し警戒的な見方があるように思える。

 このため、第2四半期決算発表予定の4月7日が株価にとって大きいポイントとなるだろう。仮に、芳しくない内容なら月足が24カ月線を切って売り転換線となっているだけに一段安に進む可能性はある。

 ただ、短期的には高値から大きく下げていることで自律反発の見込めるタイミングだろう。とくに、3月にも日銀の金融緩和の可能性が囁かれており、実現すれば日経平均寄与度の側面から上伸に寄与する一番手として注目されることが予想される。3万円接近場面は思い切って仕込んでおくところだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る