【この一冊】過剰な資本の末路と大転換の未来(水野和夫著)

 大手証券のチーフエコノミストから内閣府官房審議官を経て、現在、法政大学教授の著者が豊富な知識で書き上げた渾身の一冊。

 「なぜ、先進国は先進国で、後進国はずっと後進国なのか」という問題提起から訴え、その背景を分かりやすく解き明かしている。また、古代帝国システムや中世教会システムがそうであったように資本主義も富を、「周辺」から、「中心」に蒐めるシステムであり、その違いは、「軍事力・信仰」か、「市場を通じてか」であるという。そして今、カネ、モノ、エネルギーを独占するのは誰だ、と問いかける。市場合理主義の限界、エネルギーの枯渇、さらに変容していく帝国主義のあり方に鋭く踏み込んだ書である。経済を学ぶ人にとっても役立つ一冊である。

☆書名=『過剰な資本の末路と大転換の未来』
☆著者=水野和夫
☆定価=本体1500円(プラス税)
☆発行=徳間書店

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る