【話題株】アベノミクス指標株のトヨタが3年3カぶり5000円割れ、アベノミクス第1章終幕、当面、為替介入がポイント

 重要指標銘柄のトヨタ自動車<7203>(東1・100株)が、2013年4月以来、ほぼ3年3カ月ぶりに5000円の大台を割った。なぜ、指標銘柄か、というと円安政策によるアベノミクス第1章の中心的銘柄だったからである。

 1ドル・128円台まで進んだ「円安」は、足元では100円前後へ、「円高」となって、アベノミクス効果が完全に剥がれている。しかも、先の伊勢志摩サミットで安倍総理が、「世界経済はリーマンショック前夜と似ている」と指摘した通りに展開している。今回、イギリスがEUを離脱することで、グローバル展開するトヨタにとっては極めて厳しい状況が待ち構えているといえる。

 今朝は5050円で始まり、一時、5094円と戻したが、9時58分には234円安の4917と大台を割って年初来の安値に沈んだ。短期的には、日足・25日線及び週足・26週線とのマイナス乖離拡大で反発は十分予想される。

 しかし、月足チャートは完全な崩れ足の展開で、「この先、ヨーロッパ経済の混乱が本格化するようだと2012年暮れの3000円強水準まで下げる心配がある。足元では、政府が為替に口先介入でなく本気で介入するかどうかが注目される」(市場関係者)。

 これで、アベノミクス相場でつけた高値8783円(2015年3月)から3866円の下げ幅(下落率44.0%)となる。信用取組では空売りが増加、信用買残が減少という流れだが、信用買残は約1300万株とまだ高水準。買残が1000万株を切ったあたりが底になるだろうとの見方もされている。

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