【株式評論家の視点】加賀電子は今3月期第3四半期高進捗、中長期的な視点で押し目は注目

株式評論家の視点

 加賀電子<8154>(東1)は、1968年の創業以来、同社はエレクトロニクスの独立系総合商社として、時代とともに変わる顧客のニーズに合わせて、事業分野を拡大している。そして現在では、電子部品・半導体ビジネス、EMSビジネス、情報機器ビジネス、ニュービジネスの4つの事業を通じて、顧客の声に応え、いずれの分野についても、企画(川上)から販売(川下)に至るさまざまな局面で確かな解決策を提供している。

 電子部品・半導体ビジネスでは、国内外のグループ会社と連携し、世界各地に40社を超えるネットワークを展開し、専門の技術チームのもと、世界最高水準の部品を顧客に提供している。EMSビジネスでは、アジアやヨーロッパに展開する生産工場を活用し、顧客ニーズに対応した設計開発から生産、品質管理まで対応できるトータルサポート体制を実現している。情報機器ビジネスでは、国内外の有名ブランドPCや周辺機器の販売から電気通信工事を含めたシステム構築までのネットワークソリューションのワンストップサービスを提供している。ニュービジネスでは、アミューズメント業界と密接な関係を持つことを強みに、エンターテインメントの世界を広げるソフトやアミューズメント機器を提供している。

 今2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が1674億8600万円(前年同期比8.1%減)、営業利益が51億7800万円(同15.7%減)、経常利益が55億円(同14.6%減)、純利益が48億6300万円(同11.2%増)に着地。営業利益は年計画に対する進捗率が90.8%に達している。

 今17年3月期業績予想は、売上高が2300億円(前期比6.3%減)、営業利益が57億円(同26.8%減)、経常利益が64億円(同19.1%減)、純利益が58億円(同6.7%増)を見込む。配当は50円(第2四半期末25円、期末25円)を予定している。

 株価は、昨年6月24日につけた昨年来の安値1079円から本年1月5日に昨年来の高値2065円と買われた後、高値圏でモミ合いとなっている。今17年3月期営業利益は減益予想ながら第3四半期は順調に推移しており、通期業績予想の上振れが濃厚。また、来18年3月期は低迷している遊技機器向けが底打ちし、営業利益回復が観測されている。今期予想PER9倍台・PBR0.84倍と割安感があるほか、配当利回り2.5%と利回り妙味もソコソコあり、13週移動平均線がサポートラインとして意識されている。中長期的な視点でここからの押し目に注目したい。(株式評論家・信濃川)

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