【株式評論家の視点】立花エレテックは電子機器のハードとソフトの技術商社、PERなど指標に割安感

株式評論家の視点

 立花エレテック<8159>(東1)は、1921年、電気関係製品の卸売業と電気工事業を目的として創業、後に三菱電機株式会社の販売代理店となり、モーターや遮断器などに強い「産業用電気機器の立花」として業界内の地位を確立。この強みを武器に1976年から単なる機器販売にとどまらず、半導体をはじめとした電子部品および電子機器の取り扱いを開始するとともに、技術サービスを付加する「技術商社」を志向し、電気機器のハードとソフトのエンジニアリングに着手して以来、仕入先メーカーとの共同開発を積極的に推進し、顧客企業に対するアプリケーション・エンジニアリング・サービスを強化し、高度化・多様化するニーズに応える技術商社として発展している。

 2016年3月期を初年度とし、創立100周年を迎える2021年3月期を最終年度とする6か年の中長期経営計画「C.C.J2200」をスタート。企業理念の『電機・電子の技術商社として、優れた商品を最新の技術と共に産業界のお客様にお届けすることを通じて、社会の発展に貢献する』のもと「チェンジ(変革)」「チャレンジ(挑戦)」を継続することによって大きく「ジャンプアップ(飛躍)」し、連結売上高2,200億円目標に向けて、国内で築いた「技術商社」としての地位を中国・東南アジアを中心とする海外でも確立し、アジアの産業界を支える「一大技術商社」を目指している。

 5月12日に大引け後に発表した前2016年3月期業績実績は、売上高が1621億4200万円(前の期比10.0%増)、営業利益が56億1600万円(同15.6%増)、経常利益が57億4000万円(同0.0%増)、純利益が37億1500万円(同31.7減)に着地。

 今17年3期業績予想は、売上高が1670億円(前期比3.0%増)、営業利益が55億円(同2.1%減)、経常利益が56億円(同2.4%減)、純利益が37億5000万円(同0.9%増)を見込んでいる。年間配当予想は26円継続(第2四半期末13円、期末13円)を予定している。

 株価は、1月4日の年初来高値1354円から2月12日に年初来安値970円と調整を挟んで3月14日高値1280円と上昇。その後、モミ合っているが、1100円どころを下値として固めつつある。中長期経営計画「C.C.J2200」初年度となる前16年3月期は計画に対して上ブレし順調に推移。基本戦略の着実な展開を実施中であり、今期は減益を予想しているがやや保守的で成長は十分見込まれる。今期予想PER8倍台・、PBR0.55倍と割安感があり、配当利回り2.2%と利回り妙味もソコソコある。ここからの押し目は中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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