ティムコは17年11月期黒字化予想で収益改善期待、0.2倍近辺の低PBRも見直し材料

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 ティムコ<7501>(JQ)は、フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。17年11月期は黒字化予想で収益改善が期待される。株価は上値が重くモミ合い展開だが、一方では徐々に下値を切り上げて煮詰まり感も強めている。0.2倍近辺の低PBRも見直し材料として戻りを試す展開が期待される。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。16年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が32%、アウトドア事業が67%、その他(不動産賃貸収入など)が1%である。

 オリジナルアウトドア衣料ブランドである「Foxfire(フォックスファイヤー)」の商品力強化や、直営店舗「Foxfire Store(フォックスファイヤーストア)」の収益力向上に取り組んでいる。

■16年11月期は赤字

 四半期別の業績推移を見ると、15年11月期は売上高が第1四半期6億31百万円、第2四半期7億62百万円、第3四半期6億75百万円、第4四半期7億69百万円、営業利益が31百万円の赤字、33百万円の黒字、14百万円の赤字、35百万円の黒字だった。16年11月期は売上高が6億63百万円、8億14百万円、6億52百万円、6億99百万円、営業利益が27百万円の赤字、38百万円の黒字、33百万円の赤字、2百万円の黒字だった。

 16年11月期の非連結業績は、売上高が15年11月期比0.3%減の28億28百万円、営業利益が20百万円の赤字(前々期は23百万円の黒字)、経常利益が11百万円の赤字(同30百万円の黒字)、純利益が23百万円の赤字(同14億83百万円の赤字)だった。

 売上高、利益とも計画を下回った。個人消費の低迷、夏季以降の台風や豪雨の発生、渇水や週末毎の悪天候などの条件が重なり、特に衣類販売が第4四半期に大幅に落ち込んだ。利益面では値下げ販売による粗利益率の低下や広告宣伝費の増加も影響した。

 差引売上総利益は同3.0%減少し、差引売上総利益率は44.6%で同1.2ポイント低下した。販管費は同0.4%増加し、販管費比率は45.3%で同0.3ポイント上昇した。自己資本比率は84.6%で同1.8ポイント上昇した。特別損失では前々期計上の減損損失13億96百万円が一巡した。配当は前々期と同額の年間12円(期末一括)とした。

 セグメント別(連結調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同0.1%減の8億94百万円で営業利益が同1.3%減の1億04百万円だった。前々期に発生したルアー用品の仕入遅延を改善し、フライ用品の新製品投入などを推進したが、第3四半期以降に販売が落ち込んだ。

 アウトドア事業は、売上高が同0.5%減の19億02百万円で、営業利益が同31.4%減の90百万円だった。防虫素材「スコーロン」を使用した衣料品の販売強化で春夏物商戦は堅調だが、秋冬物商戦が始まる第4四半期の販売が大幅に落ち込んだ。暖冬対策による早期値引き販売の実施や広告宣伝費の増加も影響した。その他は売上高が同5.6%増の32百万円で、営業利益が同9.0%増の24百万円だった。

■17年11月期は黒字予想で収益改善期待

 今期(17年11月期)の非連結業績予想(1月19日公表)は、売上高が前期(16年11月期)比6.8%増の30億20百万円、営業利益が38百万円の黒字(前期は20百万円の赤字)、経常利益が38百万円の黒字(同11百万円の赤字)、純利益が23百万円の黒字(同23百万円の赤字)としている。配当予想は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は129.2%となる。

 アウトドア関連産業においても引き続き厳しい事業環境を想定するが、基本戦略として規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業においてはブランド力強化とネット活用による収益性向上、アウトドア事業においては衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益性向上に努めるとしている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与して収益改善が期待される。

■株主優待制度は毎年11月末に実施

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として実施している。優待内容は、100株以上~1000株未満保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券1枚、1000株以上保有株主に対してFoxfire Store20%OFFお買物優待券2枚贈呈する。株主優待券利用対象店舗は直営店(会社ホームページを参照)となる。

■株価はモミ合い煮詰まり感、0.2倍近辺の低PBRも見直し材料

 株価の動きを見ると、上値が重くモミ合い展開だが、一方では徐々に下値を切り上げて煮詰まり感も強めている。

 3月15日の終値488円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS9円29銭で算出)は53倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.5%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS1965円77銭で算出)は0.2倍近辺である。時価総額は約16億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって徐々に下値を切り上げている。0.2倍近辺の低PBRも見直し材料として戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞アナリスト水田雅展)

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